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【7月31日まで】リモート型ワークショップ「おうちでつくろう!(1)ガムテープ編」提出作品&コメント

更新日:2020年6月29日

期間限定で提出作品とコメントを掲載します!

令和2年4月20日から6月15日まで、ご自宅から外出せずに参加できるワークショップ「おうちでつくろう!(1)ガムテープ編」を実施しました。
このページには、7名の参加者から提出された作品の画像と、当館館長・日比野ルミからのコメントを掲載します。

コメントの中では、それぞれの参加者に向けて、参考になりそうな収蔵作品も紹介しています。あわせてお楽しみください!

※ワークショップの提出作品画像は、クリックまたはタップで拡大します。

1 市川 千真さん(8歳)

おうむを3羽作りました。
子供と楽しく作成できました。
子供はとても想像力があり、本当に私の頭が固くなっているんだなと実感しました。頭で想像している物がなかなかできなくて苦戦しました。(親)
子供に教わりながら、どうやったらバランスがとれるか?色合いはどうか?(くちばし)や目はどうしたらよいか?
色々と工夫しながら楽しい時間をすごせました。

館長コメント

頭とからだのバランスが絶妙です。三色の羽根が「おうむ」の特徴を表しています。白い紙で作られた目とくちばしが、カラフルな色を一層引き立てていて、それぞれの表情がよく伝わってきます。「青いおうむ」は少し眠そうで、「赤いおうむ」は、ちょっぴりイタズラ好き、「黄色のおうむ」は優しい性格に感じられます。

近代美術館に櫻井(さくらい)かえで《おうむ(がえ)し》という作品があります。この作品は「おうむ」がラジオを持って遊びに来たらこんな感じかな?と想像してしまう、大きくて楽しい木彫作品です。千真さんの「おうむ」は、この作品に負けないほど楽しく、魅力あふれる作品です。

2 碓氷 桐榎さん(9歳)

到着してすぐに制作しました、ゾウとワニです。
お送りいただいた、シルバー、グリーン、レッドの3色のガムテープを使いました。

館長コメント

ゾウとワニが仲良く話しているのが聞こえてきそうな魅力ある作品です!ガムテープをフワッと優しくつけてあることで、愛らしい魅力が感じられます。素材の(つや)を活かし、動物の活発なイメージまでが表現されていて、作っているときの楽しさも感じられます。

近代美術館の常設展示作品に《(からす)》という彫刻があります。作者の柳原義達(やなぎはらよしたつ)は鳥の動きをよく観察し、鴉や(はと)などの作品をたくさん作っています。この作品では鴉が本当に、その場所にいる感じが伝わってきます。桐榎さんが作ったゾウやワニも、そこで楽しげに笑っているかのように感じられます。次は、ゾウとワニのお友達も作ってみてください。そのうち桐榎さんの作品で、楽しい動物園ができるかもしれませんね。


柳原義達《鴉》

3 小野田 颯樹さん(6歳)

家にある材料といただいたガムテープで想像を膨らませ、大好きな車とモンスターを作りました!
車のタイヤをどうしたら回転させられるか、色々と知恵を出し合いました。
その他にも沢山の作品を作り、毎日熱中して工作をしていました。休校中を楽しく過ごすことができ感謝しております。

館長コメント

「熱中して工作できた」というお話の通り、細かい部分にまでこだわりが感じられる、熱く勢いのある作品になっています。この《車》の写真では、堂々としたカッコよさを感じ、ストローで車体を軽く丈夫にした工夫に感心しました。もう一つの作品《モンスター》は一つ目でアメフト選手のような肩を感じさせる作品です。ストローの包装も素材に使われていて、伸びやかなマジックの線からも、颯樹さんの発想の自由さや豊かさが感じられます。

美術作品には動く作品も多くありますが、近代美術館にある青木享平の《談笑(だんしょう)する妻た(つま)ち》という作品は、動物の頭部が5つ並んだ彫刻作品で、動かすことができます。どのように動くのか、美術館で見てもらいたいと思います。


青木享平《談笑する妻たち》

4 太田 樹さん(9歳)

ざいりょうは、しんぶんしとはりがねとがむてーぷをつかいました。
くろうしたところは、からだのふとさと、あしのまげかたでした。

館長コメント

樹さんは、馬が走っている様子を近くで見たことがあるのではないでしょうか。作品に躍動感があり、からだの形や太さにこだわった作りが、本当に生きているかのような生命力を感じさせる素晴らしい作品です。馬の首の角度は難しかったと思われますが、大変よくできています。作品から樹さんの素晴らしい観察力と豊かな才能が感じられました。

近代美術館に山崎啓次(やまざきけいじ)による《(うま)》という日本画がありますが、しなやかな肢体を丁寧に観察して描かれています。また、常設の彫刻作品である分部順治(わけべじゅんじ)仔馬(こうま)》には、草を食べながらゆったりと過ごす姿が表現され、見ていると穏やかで優しい気持ちになります。どちらも作者の馬に対する愛情が表れています。樹さんの作品からも馬に対する愛情が感じられ、しなやかな馬の姿が強く印象に残りました。

5 小林 郁さん(11歳)

畑で育ててる野菜たち
形を整えるのが難しかったけど、夢中になって作りました。なすも色は違うけど、なすらしく見えてよかったです。

館長コメント

郁さんが大好きなご家族と育てている野菜を作品にしたのでしょうか。作品からは、その野菜を食べている郁さんの笑顔まで感じられます。野菜に触れたときに手のひらで感じた凸凹の形が、そのまま造形に活かされていることに素晴らしさが感じられる作品です。普段からの丁寧な観察が、みずみずしい野菜の表現につながっているのでしょう。なすの表面の反射は銀色のガムテープで表されており、丸みを帯びた形の特徴がよく捉えられていて感心します。他の野菜も、手に持ったときに感じる「重さ」までが表現されています。

多くの作家が、野菜や果物を題材にした作品を創作していますが、近代美術館に郷倉千靭(ごうくらせんじん)が描いた《静物(せいぶつ)》という日本画があります。この郷倉の作品に通じる優れた洞察力(ものごとを観察して、その本質や奥底にあるものを見抜く力のことです。)を、郁さんの作品からも感じました。


郷倉千靭《静物》

6 菊原 龍輝さん(11歳)

なんでからかさおばけにしたかというと、あまびえを作ろうとしたけどむずかしくてだめで、そうしたらからかさおばけをおもいついた。
工夫したのはかさのぶぶんをわりばしで骨ぐみを作ったところと、目をひかるようにした。

館長コメント

妖怪の「からかさ小僧」をモチーフとした作品で、広げた傘の薄い部分をガムテープの厚みある立体にした発想に、面白さを感じました。また、この作品のポイントは何といってもバッテリーごと作品に内蔵されている「発光する眼球」でしょう。暗いところで光る眼球は、一層不気味さを感じさせます。傘の青い部分は美しい曲線が素敵な造形となっています。一本足の曲がり具合や草履など、動画「ガムテープ&新聞紙でつくろう」を参考にしたと思われる工夫がいたるところで感じられます。

近代美術館には河童(かっぱ)木霊(こだま)山霊(さんれい)などを描いたことで知られる中島権吾(なかじまごんご)の作品があります。人々の空想の世界に生きている(と言ってもいいでしょう)もののけ達は、自由な想像力のままに造形することができると思います。龍輝さんの作品は、眼球を発光させることによって、新しい表情を生み出しています。


中島権吾《山霊》

7 小林 健太郎さん(33歳)

鳥の方はひよこの形の饅頭(まんじゅう)を型に憲法改正関連の新聞記事を、手の方は自分自身の右手を型にコロナ()関連の新聞記事を巻き付け、それぞれガムテープで成形しました。
同胞(どうほう)から社会的距離を置くため、月面にのがれた人間の姿をイメージしました。

館長コメント

憲法改正関連の新聞記事からインスピレーションを得て作った作品とのことです。青い鳥がとまる手は宇宙飛行士のグローブのようです。写真の背景にコンピュータがあるためか、まるで月面に立っているようで、青い鳥が超越した存在に感じられます。赤いガムテープの使い方も巧みで、現代的な素晴らしい作品になっています。力の抜けた手の表情と青い鳥の意志を感じる姿には、想像力を大いに刺激されます。

小林さんの作品から、島州一(しまくにいち)の《Tracing-Shirt(とれーしんぐ しゃつ) 131》という作品を思い浮かべました。作家が日常着ているシャツと浅間連山の関係性を、トレース※という行為を通して探った作品です。小林さんが新聞記事の内容にこだわりながら自分の手を型にして成型したプロセスと重なります。自分の身体(シャツや手)をトレースや型どりすることを通して何を思うのか、作品を見る人までも考えさせられる作品です。近代美術館の「平成27年度 新収蔵品展」のカタログに島州一の言葉が掲載されているので引用します。

浅間連山の景観は私の眼に見えるが、そこに生きる私の生活は刻々流れ行く時間としてしか見えない。

その両者を総合する形は何か? 私の作品制作上の大前提であった。

浅間山から立ち昇る噴煙は正に山が生きている証拠である。私が自分の日常着ているシャツをくまなくトレースすることで、自然の象徴である浅間と私が初めて出会うことができた。

シャツの襟首が火口だとする比喩に始まり、山の稜線とシャツの肩口、両袖の左右への拡がりとともに正面の斜面と対峙する胸からの両ポケットの傾斜のわだかまり。

中央を流れ落ちるボタンの列は、いわば火山の肌を刻する谷間のリズムと同調する。また、両袖の終わりまで辿る袖口の流れの泊まりは、あたかも人々が住む村や町の佇まいを連想する。

最後に広がる裾野は無限空間の中へシャツの裾としてはためき終わる。

以上が私と浅間山との関係を具体化したトレース作品の構造である。

(引用典拠:佐久市立近代美術館編『新・収蔵品展―平成27年度収蔵―』2016年9月、19ページ)


※トレース[Trace]:一般的には、(目に見える)跡、足跡、形跡を指し、(透明な紙を当てて図などを)敷き写すことも含まれます。

本文ここまで

佐久市立近代美術館 油井一二記念館

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