更新日:2022年5月1日
新緑のまぶしい季節になりました。ゴールデンウィークには佐久バルーンフェスティバル(外部サイト)が開催される予定です。
色とりどりの気球が大空へ飛び立つのが待ち遠しいですね。熱気球競技を観戦した後は、当館へもぜひお出かけください!
さて、今月紹介する作品は、武者小路実篤《達磨》です。
※2022年5月31日(火曜)までの限定公開です。
※画像の転載は禁止します。
作者名:武者小路実篤
生没年:1986-
制作年:1955
材質・技法:絹本墨書淡彩
寸法(cm):115.8×41.6
武者小路実篤(1885-1976)は「白樺派」を代表する小説家として知られていますが、その活動は文筆業だけにとどまらず、日本の文化や芸術に広く影響を与えた人物でもありました。美術に造詣の深かった実篤は、自身も40歳頃から身近な野菜や、愛用する壺に活けた植物などをモチーフに、「君は君我は我也 されど仲よき」「自然玄妙 人生玄妙」といった印象的な自画賛を添えた絵画作品を描きました。
そんな実篤の作品に惚れ込んだ人物のひとりが、佐久市出身の実業家(株式会社美術年鑑社初代社長)で、当美術館のコレクションの母体となった作品群の寄贈者である
1953年、油井は美術品を販売することに行き詰まり、食糧難を受けて人造米製造に着手します。しかしその後例年にないほどの大豊作となり、油井は借金と使わなくなった機材を抱えて、事業から撤退します。失意に沈む中、久しぶりに実篤のもとを訪ねると、実篤は以前と変わらない様子で油井の話を聞き、目の前で墨を擦りはじめ、張り子の達磨の絵とともに、
師よ師よ何度倒れる迄起き上らねばなりませんか 七度迄ですか 否 七を七十倍した程倒れても なほ汝は起き上らねばならぬ
と力強く書き上げました。この作品《達磨》と実篤からの助言をきっかけに、油井は美術商として再起を果たしました。
実篤との交流は亡くなる直前まで続き、1976年に刊行された、油井旧蔵の作品を紹介する図録『美の
武者小路実篤《達磨》は、3月19日(土曜)から5月8日(日曜)まで「コレクション展 自然と美術 ―武者小路実篤から現代美術まで―」で展示します。また、本作品は会場での写真撮影が可能です。
5月9日(月曜)から7月15日(金曜)まで、外壁タイル改修工事等のため当館は休館いたします。
7月16日(土曜)からは長野県立美術館と当館の所蔵する名品が出そろう展覧会「長野県立美術館交流名品展 佐久からひろがる 信州の近現代美術」が始まります。お楽しみに!
毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。
午前10時~午後4時30分