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JICA ボリビア 井出教子さんのpachamama通信 vol.10

更新日:2015年2月2日

佐久市のみなさんへ No.10

佐久市の皆さんこんにちは。
今週初め、早朝のオフィスに隣の課のスタッフが突然やってきて、あいさつも交わさぬうちにこう一言。

「今すぐにオフィスにある荷物をまとめなさい。机の上の書類も、棚に入っているファイルも全て段ボールにつめて!!さあ、早く!!」

一体何事かと思ったら、オフィスの壁を塗り替えるので、ペンキで汚れないように、すべてのものを一旦段ボールの中に入れて、準備するようにという指示でした。

そんなに急かさなくても…と思いつつ、「いつから始まるの?」と聞くと、「今からだ!」との答え。

え!と驚く私と同僚たちに、隣の課のスタッフは「もう塗装屋が来て待ってるんだ。急いで!」と念を押して去っていきました。戸口を見ると確かに塗装屋さんたち十数名の姿が。「もっと早く言ってよ!間に合うわけないじゃない!!」と、棚に積まれた膨大な量の資料やファイルを見て言葉を失った私たちでした。

ボリビアにはボリビアの文化があり、人々が何に重きを置き、何を大切に思うかは日本とは違う。私はそう思っているので、普段「えー!!」と思うような予想外の出来事があってもそれを日本と比べてどうこう言うのはあまり好きではないのですが、こういうことがあると「日本なら絶対こんなことないのに…」と、ついつい日本人の持つ計画性を、愛おしさをもって思い出してしまいます。

実はこの出来事がおこる2週間ほど前にも、「教員の踊りの大会が翌日だから練習に準備に忙しい。」という理由で、同僚と企画した研修会に20人中2人しか来なかったという出来事があり、さらにこの一年というもの、「あ、ごめんごめん!忘れてた。」という一言で数々の会議や約束をすっぽかされてきた私は、このことをきっかけに溜まっていたものが爆発したのか無性に腹が立ち、同じボランティアとして働くスイス人の友達をつかまえて「ちょっとひどいと思わない?この間だって一年分の仕事のレポートを一日でまとめろって急に同僚に言われたのよ。まったくもうちょっと計画性を持って進めてほしいわ!!」とまくしたててしまいました。すると彼女は「そうよね。わかるわ。私も同じようなこと経験してるもの。」と一通り私の愚痴を聞いてくれた後で、「でも、彼らの良い所はものすごく“フレキシーブレ”(「融通が利く」という意味のスペイン語)なところよね。」とつけ足しました。

長所も行き過ぎれば短所。それと同じように短所も別の視点から見つめれば長所。普段から彼女は物事を前向きに考えることのできる人で、度々感心させられているのですが、今回も「うーん、その通りかもしれない…。」と、考えさせられる一言でした。

確かに教育事務所の同僚や学校の先生たちの仕事ぶりは、多分に“フレキシーブレ”。例えば年間の学校の行事予定に無くても、「それは面白そう。やりましょう!」とやる気に火がつけば、大々的なイベントもパワフルにこなしてしまいます。「ちょっと話がしたいんだけど…。」ともちかけると、忙しい中でもすぐさま時間を作ってくれるフットワークの軽さもあります。もっと計画性があれば…と嘆く一方で、そういった彼らの“フレキシーブレ”な点に助けられている自分もいるのです。壁塗りの一件と、いくつかの出来事が重なってついつい愚痴を言ってしまった私でしたが、彼女の一言から、いつの間にか自分が消極的な捉え方ばかりしていたのではないかと反省させられました。

ちなみにこちらが壁塗りの終わったオフィス。

学校で仕事のない日はここで働いています

コチャバンバ県教育事務所の建物

11月に入り、ボリビアの学校は学期末を迎えています。日本と異なり、ボリビアの学校は2月に始まり、11月に終わります。ボリビアだけでなく、南米の学校はほとんど同じスケジュールの様です。12月、1月は長い長い夏休み。その休みに入る前に先生たちはテストの採点をしたり、テストの点数がよくなかった子どもたちに補習をしたり、来年度の予定を立てたりと忙しそうにしています。

そんな中、今日は活動先の学校で学習発表会があるというので、見に行ってきました。この学習発表会の目玉は、生徒たちの歌と踊りです。そういえば2か月程前から生徒たちが体育の時間に踊りの練習をしているのを見かけていたのですが、それはこの日のための練習だったようです。当日披露された踊りのほとんどは、ボリビアの伝統舞踊でした。伝統舞踊はボリビアの人々にとっては基礎教養の一つ。体育の授業でどの学年もかなり力を入れて教えられています。

私が写真を撮りながら踊りを見ていると、隣にいた校長先生が「ノリコ、この国にはなんと100以上の踊りがあるんだよ。」と誇らしげな顔で説明してくれました。各県の各地方にそれぞれ異なる踊りがあり、しかもそれぞれの踊りにそれぞれの物語があるのだそうです。

ボリビアの正式名称は“ボリビア多民族国家”。正式に発表されているだけでも36の言語が話されているこの国には、その名の通り多様な民族が存在し、それぞれの文化を守りながら、しかし他の民族とも融和しながら暮らしを営んでいます。この国にある多様性は、私がこの国に住むようになって最初に素敵だなあと感じた点の一つ。多様な民族や文化を抱えながら進むことは、時に対立もあり困難も伴いますが、それを一つの国に包み込むボリビアという国が持つ寛容さは、日本に無い魅力だと思います。

この学校の生徒たちはORURO(オルロ)、LA PAZ(ラパス)、POTOSI(ポトシ)など他の県から出稼ぎに来た家族の子どもたちが多く、各家庭の経済状況は決して豊かとは言えません。しかしこの日ばかりは彼らもきらびやかな衣装を身にまとい、保護者や先生たちが見守る中、いつもとは異なる真剣な表情で踊りを披露していました。

週の初めからキリキリした気持ちになっていた一週間でしたが、彼らの一生懸命な姿とたくさんのかわいらしい踊りを見て、すっかり心が丸くなった一日でした。

写真左:途中で組体操も披露されました
写真右:ティンク(喧嘩踊り)の衣装。昔ボリビアにはけんか祭りという祭りがあり、そこで流された血は大地の神パチャママへの捧げものとされたそうです。そのけんか祭りの様子をモチーフにしたのがこの踊り現在ポトシ県の北部でこのお祭りは続けられているのだそう。カラフルな衣装が特徴。

 11月25日 ようやく雨季の到来したコチャバンバより

 青年海外協力隊 平成23年度一次隊 環境教育

 井出 教子

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