このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動

本文ここから

JICA ボリビア 井出教子さんのpachamama通信 vol.13 【最終号】

更新日:2015年2月2日

佐久市のみなさんへ No.13

6月26日、ボリビアから成田に到着し、その後数日間のJICAの研修を受けて佐久に帰ってきました。家族との再会もさることながら、浅間山や八ヶ岳を背景に田んぼの稲が風に揺れている風景は、見慣れているはずなのに、初めて見た景色のように美しく目に映って感動しました。私が住んでいたコチャバンバは年間を通して雨が少なく、広葉樹があまり育たないので、余計に木々の緑が目に留まったのかもしれません。

2年前、出発する頃には想像もしなかったことですが、実際に行ってみるとボリビアは日本との深いつながりや共通点をたくさん持つ国でした。以前の通信でも紹介しましたが、ボリビアにはいくつかの日本人居住地があり、そこには日本文化や伝統を守りながら暮らしている日系人の方々がたくさん住んでおられます。そのせいか、しばらくお別れだと思っていた海苔や醤油などの日本食材も簡単に手に入りました。国中で走っている車のほとんどは中古で輸入されてきた日本車。また「嵐」や「AKB48」といったアイドルグループのファンクラブなども結成されていたりして、メンバーの誕生日には映画館を貸し切ってイベントが開かれるなどかなり熱狂的でした。「死者の日」という日本のお盆のような伝統行事があったり、太陽の神様を信じて日の出を拝んだり、と宗教や歴史は大きく異なっているのに、ところどころ似通った信仰や習慣を持っているのには、驚くと同時に面白く思わされました。もちろん日本とは違う点もたくさんあって、人々の考え方の違い、習慣の違いなどに気づくたびに、私は改めて自分がこれまで知っていた世界が如何に小さいものだったのかということを感じました。

協力隊員としての活動の面では、考え方や文化の異なる社会で “人々の習慣を変える”ことの難しさに直面した二年間でした。私は、「学校における環境教育を通じてコチャバンバの環境問題改善に貢献する」という目的で主に市内の小学校で活動していましたが、市民団体と協力して取り組んだ「ゴミの分別収集」や「リサイクルの促進」などは学校内においてはある一定の変化を引き起こしたものの、それを家庭や地域社会に浸透させていくためにはまだまだ時間が必要だったというのが正直な感想です。

日本に帰る直前の6月初め、サンタクルスへ行く機会がありました。サンタクルスは一般的に、事実上の首都ラパスに次ぐボリビア第二の都市と言われ、数字だけ見ればラパスよりも多くの人口を抱える大都市です。

今回のサンタクルス訪問での一番の目的は、DIFARというNPO法人を立ち上げ運営している日本人女性、瀧本里子さんにお会いすることでした。DIFARは、サンタクルス県内の農村で市役所によるゴミの分別回収実施を支援したり、回収した生ごみをコンポスト化する事業を進めるなど、環境に関する活動を過去10年近くに渡って行っている団体です。(詳しくは下に載せたDIFARのホームページをご覧ください)その代表である瀧本さんが、新たにValle Grande(バジェ・グランデ)という場所でゴミ分別回収のプロジェクトを始めるにあたり、“環境教育”の教材を探されていると知ったので、私の手元にあったいくつかの教材や資料をお渡しに伺ってきました。

瀧本さんは10年ほど前に青年海外協力隊員として、ボリビアのバジェ・グランデ付近にある農村で野菜栽培に関する支援活動を行っておられた方で、2年間の任期を終えた後「ボリビアでまだやりたいことがある」との想いから、日本で資金を集めてボリビアの農村を支援するNPOを設立されたのだそうです。「資金集めは自分で企業や知り合いを訪ねながらプロジェクトの説明をして回って、賛同してくれる人たちから集めました。」というエピソードをお聞きし、その行動力にはびっくりさせられました。何もない所から、しかもボリビアで、NPOを設立し数年後に市全体を巻き込む大きなプロジェクトを実施するところまでこぎつけてしまうのは、本当にすごいことだと思います。

ボリビアでは何をするにも日本のようにすんなりとは進みません。会議や打ち合わせの時間が忘れられていることは日常茶飯事。みんなの合意を経て決まったことであっても、実行に移されるまでに日本の3~4倍時間がかかります。ましてやゴミの分別回収は市民一人一人の行動を変化させ、しかもそれを持続させないと実現しないこと。ボリビア国内ではなかなか成功している例が無い中、DIFARはなぜそれを成し遂げることができたのだろうと思っていたのですが、瀧本さんのお話しをお聞きする中でその理由がわかった気がしました。それはトラブルがあっても目標を見失わない「意思の強さ」と、地域の人々の立場に立って現状を見つめる「冷静な分析力」、そして何と言ってもたくさんの人を上手く巻き込みながら進んでいく「行動力」の三つ。上手くいかないことがあるとすぐに落ち込む自分の意思の弱さを反省しながら、瀧本さんからたくさんのことを学ばせてもらった一日でした。

二年間、私がボリビアに貢献できたことはほんの少しでしたが、私自身がボリビアから学んだことはたくさんあります。協力隊生活は終わりましたが、これからは日本で国際協力や途上国支援に関する活動に関わっていくことで、そういった経験を活かしていくことができたらと思っています。DIFARについても、日本に事務所を構えているそうなので、これからもお手伝いしていくつもりです。

同時に、これから自分が何をすべきか考えるうえでいつも思い出す言葉があります。それは、「君はこんなところに来るよりも日本でやるべきことがあるんじゃないのか?ボリビアにも環境問題はある。でも放射能を垂れ流して世界の海を汚染している日本よりはましだ。」という現地の先生にかけられた厳しい一言です。国際協力のためにと国外で活動していた二年間は、自分の生まれた国を外から見つめながら、改めて日本の在り方について考さる二年間にもなりました。国際社会に生きる一人の大人として、日本社会が抱える様々な課題についても、きちんと考えていく責任があることを感じています。

帰国後に、ご近所や親戚を訪ねて挨拶に周ると、多くの方がこのホームページで私の通信を読んでくださっていて、「なかなかできない経験ができて良かったね」、「毎回楽しみに読んでいたよ」、「お腹はもう大丈夫?」などと声をかけてくださいました。改めてこの二年間多くの人に応援してもらっていたことを実感し、ありがたく思いました。最後になりましたが、この連載を提案してくださった柳田市長、掲載にあたってお世話になった工藤さんはじめ観光交流推進課の皆様、そしてパチャママ通信を読んでいただいた佐久市の皆様に感謝して、連載を終わりたいと思います。

熱帯地方で見られる鳥、トゥカン

サンタクルスなど熱帯地方で見られる鳥、トゥカン。大きなくちばしが特徴です。

ゴミ分別プロジェクトの様子

DIFARのゴミ分別プロジェクトの様子。住民は写真のような容器に生ごみを入れ、回収日に家の戸口に置きます。その他資源ごみの回収も行われていました。

回収された生ごみはコンポストに入れられます

回収された生ごみはコンポストに入れられ、堆肥になり、村の農家で使用されているそうです。

初日の出に手をかざす人々

新年に初日の出に手をかざす人々の様子。太陽のエネルギーを取り込むんだそう。

おまじないに使われるリャマのミイラ

おまじないに使われるリャマのミイラ

学校の先生たちや教育事務所の同僚達

一緒に活動をしていた学校の先生たちや教育事務所の同僚達。最後にお別れパーティーをしてくれたときの様子

コチャバンバの子どもたちの笑顔

二年間、いつも私を支えてくれたコチャバンバの子どもたちの笑顔

コチャバンバの子どもたちの笑顔2

青年海外協力隊 平成23年度一次隊 環境教育

井出 教子

お問い合わせ

経済部 観光交流推進課
電話:0267-62-3283(交流推進)、0267-62-3285(観光)
ファクス:0267-62-2269

お問い合わせはこちらから

本文ここまで


以下フッターです。

佐久市役所

〒385-8501 長野県佐久市中込3056
電話:0267-62-2111(代表) ファックス:0267-63-1680(総務部)
市へのお問い合わせはこちら