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JICA ボリビア 井出教子さんのpachamama通信 vol.5

更新日:2015年2月2日

佐久市のみなさんへ No.5

2012年が明け、「今年はどんな一年になるかしら」などと思っているうちに早一カ月。 すっかりごあいさつが遅くなりましたが、佐久市のみなさん、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新しい年を、皆さんはどのように迎えられましたか。
ボリビアでは大晦日の夜、日付が変わる5分前から街のあちこちで花火が打ちあがり、深夜から朝方にかけて若者が外に踊りに繰り出す、という日本のお正月とは全く趣を異にする新年の幕開けでした。 宗教上の理由から、この国の人々にとってはクリスマスの方がより重要な行事になっているようで、キリストが誕生したとされる12月25日の深夜0時を祝うために24日の夜から家族で過ごすことが習わしになっている一方、大みそかから1月1日にかけては友人と集まってパーティーをしたり、踊りに行ったりして過ごすのが一般的なのだそうです。

私は厳しい冷え込みの中、除夜の鐘を聞きながら実家で過ごした昨年を懐かしく思い出しながら、今年は同じコチャバンバで活動する先輩隊員たちと一緒に新しい年を迎えました。

現在私が住むコチャバンバには8人の青年海外協力隊員、4人のシニアボランティアが滞在し、活動を行っています。 首都でもない都市にこれだけのボランティアが集まるのは珍しいことのようですが、コチャバンバはボリビアの中でも比較的規模の大きい街なので、普段生活している分には街で出会ったりすることはめったにありません。 しかし、慣れない海外生活において、近くにいる隊員たちの存在が心強いものであることは言うまでもありません。

さて今回のPachamama通信では、久しぶりに環境隊員らしい(?)活動報告をしたいと思います。

先月、私は隣町のQuillacollo(キリャコジョ)にあるゴミ処理場を見学に行ってきました。 見学の目的はキリャコジョの廃棄物処理の現状(収集の仕組みやリサイクルの状況など)を知ることと、現在作成している教材のための写真を撮影することでした。

下がそのゴミ処理場で撮影してきた写真の一部です。

街中から15分ほど離れたゴミ処理場に足を踏み入れて最初に目に入ったのが、トサツ場から運ばれてきたという牛の内臓に群がる大量のハエと生ごみを食べる野犬の姿。 そして強烈な臭い。 「こういう場所を作り出してしまっている人間社会の在り方はやっぱり間違っている」と改めて感じさせられた光景でした。

写真2枚目に写っている3人の男性のうち、一番右が私を案内してくれた市の職員ギジェルモさんです。

彼によると、この街のゴミ処理場には分別回収やリサイクルの仕組みはまだ無く、集められたゴミは全てここに蓄積されているのだそうです。 ゴミ収集車の購入や、分別用のゴミ箱などを設置する資金が不足しているため、分別回収やリサイクルのシステムを作ることは容易ではないということでした。 また、ゴミから出る汚水が地下に浸み込んで地下水を汚染しているという問題もあるのだそうです。 ただ、この国には、他の多くの途上国と同じように、リサイクルできるペットボトルや瓶などを街角に置かれたゴミ箱や市のゴミ処理場から拾い集め、それを売ることで生計を立てている人たちがいるため、実質的には部分的にリサイクルが行われているという現状もあります。

ゴミ処理場からの帰り道、ギジェルモさんから 「“福岡方式”のゴミ処理場を作りたいと思っているが、だれか専門家を知らないか。」 という相談を受けました。 恥ずかしながら私はこの時初めて“福岡方式”という言葉を耳にしたので詳しく尋ねてみると、ギジェルモさんは数年前にJICAの研修制度を使って日本でゴミ処理について学んだことがあるらしく、そこで知った環境負荷の小さい“福岡方式”と呼ばれる方法を使って新しいゴミ処理場を作りたいのだけれど、自分ひとりではその技術を他の職員に伝えきれないので、JICAの専門家かボランティアで講義をしてくれる人がいないか探しているのだ、と説明してくれました。

残念ながら私は“福岡方式”について全く知識が無かったのですが、同じコチャバンバでシニアボランティアとしてゴミ処理に関連した仕事をされている方がいるので、彼なら何か知っているかもしれないと思い、電話をかけてみました。 すると、「あ、それなら私が講義できますよ。去年他のゴミ処理場で“福岡方式”を導入しましたから。」との返事。 なんとその方は“福岡方式”についてコチャバンバの大学で講義を行ったこともあるのだとか。

思いがけない嬉しい返答に驚きながら、ギジェルモさんにそのいきさつを話すと「すぐにでも来てほしい。」とのこと。 というわけで、早速近日中にそのシニアボランティアの方とギジェルモさんに同行して、私もキリャコジョのゴミ処理場へもう一度視察に行かせてもらうことになりました。 まずはゴミ処理場の地形や現状を見て、どこに“福岡方式”のゴミ処理場を建設できそうかある程度の見通しをたてることが目的です。 そのうえで、2月末にはキリャコジョで“福岡方式”に関する講義が行われることになっています。

いただいた資料を見ながら、私も現在“福岡方式”について勉強中です。 簡単に説明すると、“福岡方式”とはゴミ処理場から出る汚水が地下水にしみこまないよう適切に処理しながら、処理場に堆積するゴミの山にパイプを通して空気循環を生み出すことでメタンガスの発生を抑えることのできる廃棄物処分技術で、福岡大学と福岡市によって開発されたことからこの名前がついたのだそうです。 資料の中には、アジアや他の中南米諸国における実践例が数多く報告されていました。

“福岡方式”の導入に関してはまだまだ課題もあるので、これでうまくいくと決まったわけではありませんが、「新しい技術を学びたい」というギジェルモさんの気持ちにこたえている先輩隊員の姿を見ながら、私は改めて技術を持っている人の強さ、そして世界は人と人とのつながりで変わっていくのだということを学ばせてもらっています。 私も微力ながらそんなつながりの中で、コチャバンバに少しでも良い変化の風を贈ることができるよう、2012年も活動していきたいと思っています。

平成24年2月13日
Dia de San Valentin(セントバレンタインデイ)前日のコチャバンバより

青年海外協力隊 平成23年度一次隊 環境教育

井出 教子

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