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JICA ボリビア 井出教子さんのpachamama通信 vol.7

更新日:2015年2月2日

佐久市のみなさんへ No.7

テーマ:OAS(米州機構)の開催と環境問題

6月1日金曜日の夜、仕事終わりに同僚たちがこぞって「飲みに行く!」と張り切っているので、「プリメールビエルネスだもんね。(第一金曜日のこと。ボリビアでは第一金曜日の夕方から夜にかけて店先や自宅で特別な炭を使って火を焚き一カ月の商売繁盛や家内安全を祈願する習慣がある。その後は酒宴となる場合が多い。)」と言うと、「それもあるけど、土曜の夜から4日間お酒が飲めないからねえ。」と返事が返ってきました。

聞くところによると、コチャバンバで4日月曜、翌日5日火曜にかけて開催されるOEA(英語表記ではOAS。米州機構のこと。)の総会に向けて、土曜の夜から一切のアルコール類の販売・飲酒が禁止されるそうで、違反したら逮捕の対象になるのだとか。お酒によるトラブルを防ぐためにこのような決まりが発令されたようです。

これまで旅行などで訪れたどこの国でもそうであったように、ボリビアの人たちもお酒が大好き。特に好んで飲まれているのがTAQUINA(タキーニャ)というコチャバンバの地ビール、そしてチチャというトウモロコシを発酵させてできたお酒です。

(写真左がタキーニャ、写真右がチチャ。チチャはペルーやベネズエラなど他の南米諸国にもあるが、ここコチャバンバにあるプナタという街のものが最もおいしいと言われている。)残念ながら私はお酒がほとんど飲めないのであまり違いがわからないのですが、酒豪の友人によるとタキーニャもチチャも日本で通用する美味しさだそうで、特にチチャは「日本で売り出しても人気が出るのではないか」ということでした。

それにしても治安を保つために飲酒を禁止するというのは、日本ではありえない事態なのでちょっと驚きでした。大胆な手段ですよね。後で聞くところでは土曜の夜は町中に警官が立ち、酔っ払いを取り締まっていたそうです。この他にもOEAに向けて、各国から訪れる要人の通る幹線道路沿いに急ピッチで花や木が植えられたり、道に開いていた穴が埋められたり、交差点ごとに警察が配置されて交通の取り締まりが行われたり、会議が開催される街の入口では身分証のチェックが行われたりと、街はいつもとは異なる雰囲気につつまれています。

TVでは「OEAの開催中はゴミをポイ捨てせず街をきれいにしよう」という趣旨のコマーシャルが流れ、これを見た友人は「“OEAの開催中は”なんてよく言えるわよね!会議が終わったらどうなるのよ!!」と憤慨していました。確かにその通り、と私は賛同しましたが、別の友人は「こんなことでもないと道の穴も修繕されないし、ポイ捨てに関しても政府は何も言わないんだから、ちょっとゲンキンかもしれないけど逆にいい機会だよ。」と、こちらもなるほどと思える意見でした。

OEAの他に、この6月にはお隣の国ブラジルのリオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されることになっており、環境関連団体を中心に関心が集まっています。コチャバンバにはスイスやドイツ、スペインからの援助を受けて活動しているNGOがいくつかあり、彼らが中心となって環境問題をテーマにして市民への啓発活動を行うイベントがすでに何回か開かれました。昨日6月2日にも、隣町のTiquipaya(ティキパヤ)で環境問題をテーマにした芝居の上演があり、私も友人を誘って見に行ってきました。

主催者はCOMPAという10代後半から30代前半の若者が中心となって作られているNGOで、普段はストリートチルドレンや軽犯罪を犯したこども達の立ち直りを支援している団体ですが、環境問題にも強い関心を持っており、今回は「リオ+20」の開催に向けてペルーとの国境沿いの街コパカバーナから旅を開始してラパス、コチャバンバ、サンタクルス等各都市で上演を行いながら最終的には今月末の会議開催に合わせてリオデジャネイロに到達する予定なのだそうです。

大型トラックの荷台を利用して作られたステージで上演された劇は、素人演劇とは思えないほどレベルが高く、「環境と人間の共存」という固いテーマを掲げているにもかかわらず広場に集まったたくさんのティキパヤ市民を楽しませていました。

30分強の芝居の中で、私にとって最も印象深かったのが次のシーン。

劇の様子

水の販売権を獲得したSr.Rich(セリョール・リッチ)の一族が、集合住宅に住む人々にペットボトル入りの水を売りに来るという場面です。それまで集合住宅の人々は無料で川から引いた水を使っていたのに、ある朝突然水が出なくなり、その後突如「水が欲しければ私たちが売ってあげよう」とセニョール・リッチの一族が現れ、人々は我先にとこぞって水を買い求めるのです。

コチャバンバでは過去に実際、外国資本が水道事業の運営権を与えられていたという経緯があり、それに反発した市民が“コチャバンバ水戦争”という暴動を起こした歴史があります。それもあって、このシーンは現実社会を風刺する一場面のように思え、改めて環境を汚染しながら一方で環境を売り物にもしている人間社会の矛盾や愚かさについて考えさせられました。

演劇の最後には主催者であるCOMPAの代表が次のようなメッセージを人々に伝え、大きな拍手を浴びていました。

「“発展するために環境を破壊する”、このような人間社会の在り方に限界が来ていることに私たちはすでに気づいているはずです。今こそこの社会の在り方を私たちは勇気と根気を持って変えなければいけない。言い古された言葉かもしれませんが、私は声を大にして言います。私たちが行動を起こさなければ、一体誰がこの地球を救済できるのでしょうか。それは難しい仕事かもしれない。でも私たち一人一人が変えていくしかないのです。」

禁酒令下のコチャバンバより
青年海外協力隊 平成23年度一次隊 環境教育
井出教子

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