SAKUフラワーインフォメーション【3月】~おうちに花を飾りましょう~
更新日:2021年3月17日
フラワーインフォメーション、3月号更新です!
だんだんと暖かい日が増え、春待つ気持ちが踊りますね。とはいえまだまだ寒い日もあるので、体調管理には気を付けてください。今年は花粉が多いらしいですよ!…へっしゅん!
3月はハウスや畑の準備が進み、植え付けが始まってきます。農家さんはこれからどんどん忙しくなります。今年の出来がどうなるのか、ここにかかってきます。
直売所ではお花が販売されています!家の中も外も、春の風を感じて、お花を飾ってみませんか?
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アルストロメリアがたくさん販売されています!
今が時期となっているアルストロメリア。
コロナの影響により消費が落ち込んでいます。ぜひ直売所などで見かけた際は、お手にとっていただければ幸いです!
佐久市内では多くの花きが生産されています。キクやカーネーションやトルコギキョウなど、お店でよく見かけるものが多く、みなさんにもなじみがあるのではないでしょうか。お店に並んでいる期間も長く、色や種類も多いこれらの花きですが…
切り花をお店で購入することはあっても、畑で育っている姿を見ることってあまりないと思いませんか?
ということで!農家さんの畑にお邪魔して実際に栽培している様子を取材したいと思います!
4月から掲載を開始しますので、植え付けから…とはいかないのですが、月に一度のペースで一年間更新していく予定です。
ぜひご覧いただき、佐久市産の花きについて知っていただけたら幸いです。
トルコギキョウ
トルコギキョウは初夏から秋にかけて咲くフリルの美しい、多彩な花色のある花きです。華やかな雰囲気から人気が高く、長野県は全国一の産地です。
名前から「トルコのキキョウ科の花」と思いがちですが、実は原産国は「北アメリカ」で「リンドウ科」なのです。名前のイメージと全く違いますね。トルコの名がついた理由には諸説あるようです。
日本に導入された当初は、紫色の一重の原種だったそうです。品種改良を重ねたことで、今のように色とりどりで八重咲きのものができました。
「ユーストマ(学名:Eustoma grandiflorum)」や「リシアンサス」とも呼ばれています。通っぽいですね。
いよいよ植え付けです
3月12日にトルコギキョウの農家さんのハウスにお伺いしました。
いよいよ植え付けです!ハウスには親指の爪ほどの大きさの葉っぱがついたトルコギキョウの苗がありました。
小さくてかわいいです。トレーにびっしり!
ご覧いただいて分かるとおり苗がとても小さいため、フォークを使ってトレーから取り出し、あらかじめ開けておいた穴の中へ植え付けていきます。
もう少し大きくなると手で抜けるらしいのですが、まだまだ小さいため、ちぎってしまわないように慎重に行います。
植えつけた後はしっかり根が張るようにたっぷりと水をあげます。
そのあとは、寒冷紗をかけて、さらに上からトンネルをかけて寒さをしのぎます。
しっかり根が張るまでは、毎日水やりをするそうです。大変だ…。
ここからはじまりです
マルチを張るための畝を作ります
3月2日にトルコギキョウの農家さんのハウスにお伺いしました。
土壌消毒が終わり、土を起こし、たい肥などを混ぜて土づくりまで終わったところだそうです。
これからマルチを張るために畝をこの機械を使って立てます!
ちなみに機械と作業に夢中になって、作業前後の畑の写真を撮るのを忘れました。。すみません!
機械を畝を立てたいところに跨がせて動かしていきます。
すると機械が通ったところは土はふかふか!両側はしっかりと溝ができて、幅の広い畝ができました。
すごい!今は便利ですね。ものの数分で終わってしまいました。
これが手作業だと一日がかりの作業になるそうです。
畝を立てたら畝の上をこちらのローラーで平らにします。
そのあとに水をかけて土を沈めるそうです。乾燥して来たら再度ローラーをかけて、マルチを張り、穴をあけて、植え付けをします。
水をかけることで、土も締まり、土中に水分を含ませることで、活着がよくなるそうです。
畝を平らにするときには傾きがないように水平器も使用するそう。デリケートですね。
カーネーション
「母の日」といえば「カーネーション」というくらい、私たちにはなじみの深いカーネーション。
長野県は全国シェアナンバー1です!
1本に一輪咲く「スタンダード」と、1本に複数花が咲く「スプレー」があります。スタンダードは花が大きく存在感があり、スプレーになると少し小ぶりになりますが、複数咲いていて華やかです。
花持ちがよく、比較的長く楽しむことができるので、おうちでも手軽に飾れるお花です。
一気に大きくなりました
3月16日にカーネーション農家さんのハウスに伺いました。
なんだか緑の部分が多く感じます!
上から見ると4本になっていますね。急激な成長ぶりにびっくりです。
ここから農家さんの戦略の始まりです。このカーネーションたちが一気に咲いてしまうと手が足りなくなってしまうことも考えられたり、次の花が育つのに時間がかかってしまったりなんてことがあるため、この中から1度目の花をあきらめ、2度目の芽を出させる作戦をすることもあるそうです。その方が株にも良かったり。
もうすでに先のことを見据えた作業を行わなければいけないので、見極めが肝心です…。
苗を見ていると途中にビンが埋まっていました。
これは何ですか?
刺してあるビンを抜くと土の断面が見えます。
「断面を見ることで、土の中の水分の量を見ることができる」と勧められて試しに入れてみているそうです。
これなら表面が乾いていても、地下は湿っていることが見てわかりますね。おもしろい!
暖かい日差しに当てられて元気いっぱい
キク
キクは「伝統的な日本の花」という印象がありますが、実は原産は中国です。美しい見た目から高貴な人々に愛されてきたキクも江戸時代ごろから庶民にも普及し、品種改良が進められました。
日本で作られた品種を「和菊」、ヨーロッパで作られた品種を「洋菊」と呼んでいます。
仏花のイメージの強いキクですが、多様な洋菊の登場により様々な場面で利用されるようになりました!
また1本の菊から多数の花を咲かせる高い技術を必要とする「多輪咲」というものもあり、アートとして注目されています。
露地へ植え替えです
3月12日にキク農家さんの畑にお伺いしました。
あれ…?先月と絵面が変わらない…?いえ!こちらは路地です!先月はハウスの中でした。
(編集中に気が付き、同じ写真過ぎてびっくりしました。)2月号(外部サイト)
一列にきれいに植え付けています。
植え付けが終わったら、しっかり根が張るように水をたっぷり与えます。
ここに植え付けたものが成長し暖かくなったら、畑へ移されます。
いくつかの種類を植えていて、今は名前の札が刺さっていました。
「もう少し大きくなったら見たら違いが分かるよ。」
…一年前もそんなことを言われた気がしますが、わからなかった覚えがあります。。。(4月号)
植え替え前は炭化したもみ殻にささっていました。
「誰が考えたのか知らないけど、これのほうが土より根の出がいいんだね。」と農家さんはおっしゃっていました。
先人の知恵ってすごいですね。
根元には1ミリほどの根(だと思いますが)がたくさん出ていました。
暖かくなってからが本番
販売情報(3月16日)
色鮮やかなお花たちが販売されています。
春も近づいてきますが、それより一足お先に春を取り入れて、気分の予習をしましょう!
わくわくしてより春が待ち遠しくなりますね。
店舗名 | 住所 | 電話番号 | 店舗写真 |
---|---|---|---|
JAファーム さわやかグリーンセンター | 佐久市猿久保27-1 | 0267-66-3300 | |
道の駅 ヘルシーテラス佐久南 | 佐久市伴野7-1 | 0267-78-3383 |
あとがき
今回で令和2年度は最終回です!4月から掲載をはじめ、花き農家さんの作業の様子を毎月(じゃないときもあったけれど!)掲載してきました。
野菜や果物、お米の栽培は目にすることも多く、家庭でやっていることもあるのでなじみがありますが、「花き(お花)」の栽培はなかなか目にすることもなく、私自身まったく未知の世界でした。
実際に取材にうかがわせていただき、普段接することのない花きの生産を知り、当たり前とはいえ、たくさんの苦労があることを知りました。
詳しい内容はぜひ記事を読んでいただければと思いますが、農家の皆さん一様に、花の収穫が始まるとホッとしたような、花を大事に想っている表情をされているのが印象的でした!
実際に花きを飾り、佐久の花きの特徴でもうたっている「発色の良さ」は本当によく感じることができました!色がきれい!
今回取材に応じていただいた農家さんには、お忙しい中何度も対応していただき、大変感謝しております。
また、つたない文章を読んでいただいた読者の皆様にも感謝申し上げます。
これをきっかけに佐久市の花きに少しでも興味を持っていただけたら…そして直売所で花を見て農家さんの作業を思い出したり、ご購入いただけたら…なんて勝手に思っております!
1年間ありがとうございました!
