令和3年度 SAKU農水産物インフォメーション 4月号
更新日:2021年5月7日
SAKU農水産物インフォメーション 4月号です。
令和3年度も令和2年度に引き継き、佐久市で栽培・生産されている農産物について、興味を持っていたいただけるように、情報を発信していきます。販売情報等もぜひ、チェックしてください。
佐久市では多くの種類の野菜や果物などの農産物が生産されていて、季節ごとに旬のものがたくさん並びます。
高い晴天率や朝晩の寒暖差、高地による冷涼な気候により、佐久市産の農産物は各地で高い評価を得ています。
そんな全国に誇る佐久市産の農産物の「野菜」「果樹」「水稲」「水産」について、いくつかの品目をピックアップして生育状況などを掲載していきたいと思います。
項目 | メイン品目 |
---|---|
野菜 | トウモロコシ・カボチャ・ズッキーニ |
果樹 | モモ・ワイン用ブドウ |
水産 | 水田フナ |
野菜
トウモロコシ
お祭りの定番のひとつでもある「トウモロコシ」。北海道が産地のイメージが強いですが、長野県の高原で作られるトウモロコシは、フルーツのような甘さとみずみずしさで人気です。
佐久市も長野県の主要な産地の1つです。
トウモロコシにはいろんな品種がありますが、主にスイートコーン・ポップコーン・デントコーンなどが有名です。
一般的にみなさんが食べているのはスイートコーンという種類で、甘さやみずみずしさがありますが、乾燥させて焼いても皮が柔らかくポップコーンにはなりません。
4月14日にトウモロコシを育てている農家さんの圃場に伺いました。
4月からは野菜農家さんの作業が忙しくなってきます。
こちらの農家さんでは育苗から行っています。
右は苗床に床土を入れている様子です。一回土を入れた後に指で押して奥までしっかりと土を入れています。
こちらがトウモロコシの種になります。
赤くてびっくりしませんか。
これは、薬が塗ってあるためで、本当は黄色の種です。
こちらの種を割れていないか1つ1つ確認しつつ、向きをそろえて植えていました。
尖っているほうが芯についていた側で、こちらを下にした方が、よく発芽するそうです。
種を植えたら、しっかりと指で押し込んでから土をかぶせていました。
これは芽が出てきたときに土から浮いてしまわないようにするためらしいです。
土をかぶせたら、電熱線がある場所で12℃ぐらいに保つように育てられます。
オレンジ色に見えるシートに電熱線が入っていて、保温する仕組みです。電気毛布に似ています。
サーモスタッドがついていて、ハウスの温度に合わせて点いたり、消えたりするそうです。
まいた種はこれから成長していき、5月上旬に畑に植え替える予定だそうです。
これから時期をずらしながら長く収穫できるように種をまいていくとのことです。
ズッキーニ
長野県はズッキーニの生産量が全国1番。そして佐久市は長野県で2番目に生産量が多い産地です。
見た目はキュウリのようで、味はナスのような…。でも実はカボチャの仲間です。ペポカボチャの一種です。
生食には不向きですが、イタリアではおなじみの野菜です。
ズッキーニはイタリア語で「小さなカボチャ」という意味です。
4月14日にズッキーニの生産をされている農家さんの圃場にお伺いしました。
ズッキーニと聞くと上のようなキュウリのような形を想像しませんか?
実は、ズッキーニにはいろんな形があります。
こちらの農家さんでは、変わった形のズッキーニを育てているとのことでお伺いしています。
また、ズッキー二以外にもたくさんの種類の野菜を栽培されています。
こちらは、ズッキー二を植える場所です。
こちらの畑では、緑肥といって大麦などを畑で育て、そのまま土に混ぜて肥料にする方法で土づくりをしているそうです。
黒いシートは肥料化を早めるそうですよ。
5月中旬に植え付けが始まるので、ズッキー二の生育の写真は次回からになります。
こちらは、ズッキー二を栽培されている農家さんのハウスで育てられていたラディッシュです。
こちら、フランスの在来品種らしいです。
ピリッとした辛味があり、サラダ等で使われるそうです。
ちなみに、私はラディッシュをカブの仲間と思っていましたが、実はダイコン(二十日大根)の仲間とのこと。
カブはアブラナ科アブラナ属、ラディッシュはアブラナ科ダイコン属です。
なかなか、ラディッシュを食べる機会もなかったので貴重な体験でした。
カボチャ
ベータカロテンやビタミンB群が多く含まれているかぼちゃ。実は夏野菜。
栄養価が高く、保存性に優れていたため、収穫の少なくなる冬まで保存して食べられるようになったとか。
種類も淡白で粘質な「日本」、甘くて粉質な「西洋」、変わった形や特徴が多い「ペポ」と3種類あります。
4月30日にカボチャを栽培されている農家さんのハウスに伺いました。
ハウス内には、たくさんの苗が育てられています。
こちらの写真に写っている、葉っぱの出ている苗だけでも5,000株もあるそうです。
白いシートの下には最近種をまいたポットがありました。
こちらは小さい芽が出始めですね。
芽が出始めの時期はたっぷりと水をあげて、シートをかけて25℃ぐらいになるように保温してあげるのが良いそうです。
こちらの苗は4月15日頃に種をまいた苗です。
芽が出てから2週間ぐらいらしいです。
カボチャは寒さに弱いので、ハウスでは10℃以下にならないように、夜には暖房を焚いているそうです。
佐久市は寒い地方なので、5月20日までは霜の可能性があるのでそれ以降に植え付けを行うとのことでした。
先程、寒さに弱いとのことでしたがこのぐらいに成長した苗だと暑すぎてもだめだそうです。
発芽には25℃ぐらいが適温らしいのですが、そのままだとどんどん成長してしまって苗が大きくなりすぎたり、弱弱しい苗になってしまうとのことです。
水と温度でうまく植え替えの時期に丁度良い大きさになるように調整するそうです。
4月中旬から7月上旬まで、時期をずらしながら種をまいていき、収穫は7月末から10月中旬まで続くそうです。これからの成長が楽しみですね。
果樹
ワイン用ブドウ
近年、種無しで皮ごと食べられる品種も出てきて人気が出てきているブドウ。長野県は全国で2番目の生産量を誇っています。
中でも「大粒」「皮ごと食べられる」「種無し」である「シャインマスカット」は人気のある品種の1つです。
ところで、「ぶどう」というとデザートとして以外でも思い浮かべるものがありませんか?
そう、「ワイン」です。
ワイン用のブドウの生産量も長野県は全国で2番目です。
ワイン用ブドウの品種には、赤ワイン用の「メルロー」や白ワイン用の「シャルドネ」などがあります。
4月20日にブドウを栽培されている農家さんの圃場に伺いました。
まだ、葉っぱが出ていませんでしたので、寂しい感じです。
ところで、みなさんはブドウの木にはどんなイメージがありますか?
天井のように上からブドウがなっているのをイメージする人が多いと思います。
この写真では、そんなイメージとは違い、垣根のようになっています。(葉っぱがなくてわかりづらいですが)
これは垣根仕立てといって、「ワイン用のブドウ」を栽培するときに、多く見られる植え方になります。
ワイン用ブドウの垣根仕立てでは、自然の状態だとY字になっている樹を右の写真のようにT字に枝を誘引して育てます。
このTの形から枝や葉っぱが伸びて、垣根のようになるそうです。
上に見える網よりも枝が伸びるとのことですので、すごく大きくなりそうですね。
こちらの網は動物除けだそうです。
網の中に電気柵用の線が入っており、動物が触ると電気が流れるそうです。
周りが山に囲まれているので、網と電気柵の両方がないと、シカやタヌキに食べられてしまうとのことでした。
5月ごろには芽が動き始めて緑が増えてくるそうで、楽しみですね。
モモ
甘くて、みずみずしいモモは人気の果物の1つです。
長野県は全国で3番目の生産量があり、佐久市も有数な産地の一つです。
佐久市は古くから桃の栽培がされており、小諸の三岡地区と佐久市の平根地区(佐久平ハイウェイオアシス「パラダ」周辺)は桃源郷として親しまれてきました。
桃の品種には「白鳳」や「あかつき」など色々な品種があります。
中には「川中島白桃」や「なつっこ」といった長野県で誕生した品種もあります。
4月27日にモモを栽培されている農家さんの圃場に伺いました。
モモの花が満開でとても華やかな景色です。
最近は例年より暖かい日が続いていますが、時折冷え込む時もあるので霜の被害を心配されていました。
モモの花を間近で見る機会があまりありませんでしたが、一本の枝に花がたくさん咲いています。
きれいな花ですが、すべて桃の果実にしてしまうと良い桃にならないので、状態を見ながら摘花や摘果という作業を行い良い果実を選んでいくそうです。
今回は特別に摘花もしていただきました。
こちらの農家さんでは摘花を3回、摘果を1回と徐々に選別していくそうです。
まず、果実が傷つきやすい上を向いた花を優先的に摘み、後は双子果やバランスを見ながら花の数を調整していくそうです。
5月には、緑が多くなりはじめ、果実ができ始めるとのことですので楽しみです。
水産
次回の特集になります。
