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JICAアフガニスタン所長 花里 信彦さんからのアフガニスタン便りNo13 最終号

更新日:2015年2月2日

(NO13:2011年4月)

花里 信彦氏

JICAアフガニスタン所長

佐久市志賀出身

アフガニスタン便り(第13号・最終号)

暗いニュースばかりのここ1ヶ月ですが、ひとつとても良いお知らせがあります。中村哲先生が代表を務めるPMS(ピースアンドメディカルサービス)と共同事業として進めてきたカマ郡の取水堰の工事が竣工しました。春の増水期ぎりぎりまで現地の農民の皆さん(写真で見ると皆さんご存知のタリバン風ですが)が頑張って30万人の食を供給できる灌漑をつくりあげたという達成感が夫々の表情から見て取れます。竣工式は実は3月に予定されていたのですがグルアガシェルザイ知事がどうしても参加したい、日本のPMSとJICAに直接感謝したいと言い張り4月12日に開催となりました。私はとても残念ながら政府からの許可が下りないために現地入りできず、スピーチをジャララバードオフィスの現地職員に代読してもらいました。
農民の皆さんが日本の被害を心から心配してくださり、竣工式もできるだけ地味にという心遣いと聞いていましたので、それに対する感謝の気持ちと農民の皆さんへの日本人からの気持ちが伝わるよう心をこめて書きました。

中村先生、PMSの皆さん、カマの皆さん、ベスードの皆さん、本日は工事の竣工式、おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
今シーズンの小麦の作付けを犠牲にし、河と水に戦いを挑んだ皆さんの勇気は今実を結ぼうとしています。今回の工事の完成によってカマの30万人の農民の方々が水を得、対岸のベスードの皆さんはこの夏の水害から命を守られる事になります。これは奇跡的なことです。この判断をされ、実際に工事を成し遂げた中村先生と住民の皆様に敬意を表します。
今、日本は未曾有の危機に立ち向かっています。地震、津波の被害、そして原子力を封じ込めるための戦い。今まで、誰も経験したことのないスケールの大きな災害との戦いです。
日本人はがんばっています。水を、食料を分け合い、シェルターを作り、明日の復興のために生き抜こうとしています。これ以上の被害を防ぐために命がけで放射能の恐怖と戦っています。
そんな状況の中、中村先生が、日本人が支援した工事が完成し、アフガニスタンの人たちの笑顔が見られることは我々にとってこの上なき幸せです。皆さんの喜びは日本人を元気にします。皆さんの平和と安定が、日本人が今の困難を乗り越え日本を立て直すのに必要な勇気を与えてくれます。
日本はこれからもアフガニスタンの人たちに直接届く支援を続けたいと思います。
この水を使いたくさんの農作物を作り平和な暮らしを享受してください。それが我々日本国民の喜びと支えになります。
いつか、黄金色に輝く小麦畑を見にお邪魔させていただくことを楽しみにしています。
皆様に幸運と大地からの恵みを。

4月12日
JICAアフガニスタン事務所長
花里信彦

写真中央がグルアガシェルザイ知事、向かって右側が中村哲先生(写真提供PMS)

カマ第2取水口(写真提供PMS)

カマ第2堰の様子。遠く正面に見えるのがダラエヌール(写真提供PMS)

もうひとつ明るい話がありました。去年緒方理事長が来訪されたときにカルザイ大統領と1本目の植樹をした日ア友好80周年記念の桜(80本)ですが、漸く第2陣がカブールに到着しました。先日大使館で講習会を開催、植樹を担当する各省の担当者に桜の植え方育て方を教えてもらいました。そのあと、私はカブール空港へ植樹に行ってきました。アフガニスタンの玄関であるカブール空港のターミナル正面に日本の国花である桜(法律で決まっているわけではないようですが)が咲く。とても夢がある嬉しい光景です。桜を植えた玄関正面の国旗掲揚ポールにはいくつものアフガン国旗が掲揚されていますが、そのうちの1本には日の丸がはためいていました。このポールにはアフガン国旗と日の丸以外は掲揚しないとの事。空港を全面的に支援してきている日本政府、日本国民への感謝と敬意の表れだそうです。いつかこの国が平和になり家族や友人たちとカブール国際空港に降り立ったとき、正面に24本の桜が咲き、日の丸が掲揚されているなんて、日本人としてこれ以上の感激はないかもしれません。そんな日がいつか来ることを信じています。

一番手前のポールに掲揚されているのが日の丸。握手しているのはヤスーリ空港長

さて最後に個人的なご報告です。
昨年1月にアフガニスタンに赴任以来、佐久の皆さんにお届けしてきた「アフガニスタン便り」ですが、今回が最終回となります。5月の上旬に日本へ帰国することになりました。
拙い文章ですのでどこまでアフガニスタンの現状や自分の思いを伝えられたか判りませんが、続けてお読みいただいた皆様には心から感謝いたします。
どうもありがとうございました。
日本では佐久市に住む予定にしていますので、もし国際協力のお話をする機会等があれば喜んで参加させていただきたいと思います。佐久の住民として、一市民としての国際協力や社会への貢献の意味・意義を自分なりに考え実践することができればと考えています。
連絡先は odaindo@yahoo.co.jp です。

なかなか暖かくならず四方の山は雪で真っ白なカブールにて。
4月17日、今の気温は10℃
花里信彦

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