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JICA 輿石あけみさんのウルグアイ便り vol.4

更新日:2015年2月2日

佐久市の皆さん、ご無沙汰しておりますが、お元気ですか?今日は、前回の便りにチラッと出てきたマテ茶についてお話したいと思います。

マテ茶の画像
マテ茶

この地の人達が、公園や職場で小型のポットを小脇に抱え、かわいい容器に茶葉を入れ、お湯を注いで、毎日おいしそうに飲んでいるマテ茶を、私も楽しめるようになりたいと思った。アルゼンチンに旅行した時、初めて飲んだそれは、とても苦く、葉巻のような強い匂いが鼻を衝いて、とても飲めた物ではなかった。ウルグアイ人はマテ茶を家族や友人の間で回し飲みをする。それは社交の場であり、友好を深める場でもある。職場の仲間や友人から回って来たマテ茶は、アルゼンチンのそれと違って、緑茶のようなやさしい味がした。やっと気に入ったマテが見つかったのを機に私もマテ茶を飲み始めた。まだ、この地の人達のようにマテにたっぷりの茶葉で淹れたのは、強すぎてとても飲めないが、慣れると病み付きになりそうである。

お茶を淹れる容器マテは、ケチュア語でひょうたんを意味し、本来は、ひょうたんを乾かしてくりぬいた物を使用したので、後にそれがお茶の名前にもなった。茶葉の方は、ジェルバ(草)・マテと呼ばれ、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルを原産とするIlex paraguariensis(モチノキ科常緑樹)の葉を乾燥・破砕したもので、緑茶に似た粉状である。それをマテにたっぷり入れてお湯を注ぎ煎じたものを、ボンビージャと呼ばれる濾し器付きの金属製のストローで飲む。その源はグアラニー文化と呼ばれる先スペイン期にまでさかのぼる。17世紀、ヨーロッパでお茶を飲む習慣が定着していった頃、ウルグアイでは「マテ茶」を飲む習慣がヨーロッパから移住したひとのあいだに普及し始めていた。最初は農牧畜に従事するガウチョ(牧童)たちの身近な飲み物だったが、時代とともに都市部にも広がった。
ウルグアイでは、この茶は生産されていないにもかかわらず、ウルグアイ人が一番このお茶を愛し、消費量も多いようだ。どのスーパーにもマテ茶の広いコーナーがあり、数多くの商標のマテ茶が売られている。最近は、健康志向も高いらしく、痩身効果のあるハーブを混ぜた物や、血糖値やストレスを抑制するハーブを混ぜた物なども出回っている。

彼らは、一日中このお茶を飲んでいる。朝起きると、お湯を沸かし、たっぷり茶葉を入れたマテを満たして一杯、その後はポットのお湯を注いで一杯、二杯と満足するまで飲み続ける。小型のポットを携帯するというウルグアイ人が導入した習慣により、何処でもマテ茶が飲めるようになった。公園や職場で椅子に座って飲むだけでなく、ポットを抱え、マテ茶を飲みながら歩きさえする。街には湯沸かし器やポット、マテとボンビージャ、マテ茶グッズをまとめて持ち運べる皮製のしっかりしたバッグまで売っている。

マテ茶は緑茶よりもポリフェノール類の一つであるフラボノイドを多く含み、鉄分、カルシュウム、亜鉛、マグネシュウムなどのミネラルも多く、マテインと呼ばれるテオブロミンやビタミンC,B1,B2も豊富で「飲むサラダ」とも言われており、消化を助ける作用もある。ウルグアイの一人当たりの牛肉年間消費量は世界一である。肉中心の食生活で野菜をほとんど食べないこの国の人達にとって、野菜の成分を多く含むマテ茶が欠かせないのである。
日本でも最近、「太陽のマテ茶」なる物が販売されているようであるが、ウルグアイの人々が愛するマテ茶と、どう違うのか飲み比べてみたいものである。

平成25年5月1日 秋のリベラ市より
シニアボランティア 平成24年度二次隊 渉外促進
 輿石 あけみ

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