このページの先頭です
このページの本文へ移動

おうちで社会科見学!!-龍岡城跡-

更新日:2022年5月18日

 文化財事務所では、ご自宅のパソコン等で佐久市にある文化財を見ていただくツールとして、「おうちで社会科見学!!」のページを開設しました。第1弾の「旧中込学校校舎」に続き、第2弾は「龍岡城跡」です。どうぞお楽しみください!!

国史跡「龍岡城跡」

 龍岡城跡は、「函館五稜郭」とともに日本に二つしかない星型城郭で、その貴重さが評価されて、昭和9年(1934)に国史跡に指定されました。
 この龍岡城を作ったのは松平(まつだいら)乗謨(のりかた)(のちの大給(おぎゅう)(ゆずる))という人で、もともとは三河国(みかわのくに)奥殿(おくとの)(現在の愛知県岡崎市)を拠点にしていました。乗謨はよく知られている徳川家康の5代前に分かれた家の子孫になります。乗謨は14歳で家を継ぎ、陸軍(りくぐん)奉行(ぶぎょう)若年寄(わかどしより)陸軍総裁(りくぐんそうさい)老中格(ろうじゅうかく)という役職につき、江戸幕府の中心で活躍しました。明治時代になっても勲章(くんしょう)を作る賞勲局(しょうくんきょく)総裁(そうさい)を務めた一方で、現在の日本赤十字社である博愛社(はくあいしゃ)を創設しました。
 そのような中で、明治時代になる前年の慶応3年(1867)に、洋学に詳しかった乗謨がフランスのヴォーバン元帥の築城方法を参考にして、この龍岡城を完成させました。ただ完成とは言っても、お(ほり)は未完成のままです。

それでは、龍岡城跡をぐるっと回って見てみましょう!!

龍岡城跡の空撮写真です。
空から見た龍岡城跡(数字は写真番号)

 写真3に見える南西の角の石垣だけ丸みを帯びているのはなぜでしょうか?
 実は、このことについてはよくわかっていません。ただし、「鬼門(きもん)」という認識に関わってくるのかもしれません。
 古く日本では、陰陽道(おんみょうどう)という学問で、鬼が出入りする北東の方向を鬼門と言い、嫌う習慣がありました。平安京(へいあんきょう)に都が置かれた時は北東の方角に延暦寺(えんりゃくじ)を建て、また江戸幕府は江戸城の北東の方角に寛永寺(かんえいじ)を建て、鬼門の害から守っていました。これは京都御所や上田城にも見えます。京都御所は北東の築地塀の角を欠けさせ、上田城も北東の土塁の角を削り、鬼門をなくすことで、鬼門の害から守っていました。この角を削ることを「隅欠(すみおとし)」と言います。そして、同時に北東の反対側、つまり南西の方角も「裏鬼門(うらきもん)」として嫌われる方角でした。
 それでは、話を龍岡城に戻しましょう。3の丸みを帯びている石垣の方角を見てみると南西であり、ちょうど裏鬼門の方角に当たります。つまり、裏鬼門の隅欠ということで、石垣の角を作らなかった可能性があります。
 

 龍岡城をぐるっと一周したところで、次は中に入って唯一残っている建物である「お台所」を見てみましょう!!
 このお台所は、その名の通り、龍岡城で出される料理を作っていた場所であると言われており、はじめは城内の中央にあり、一番大きな建物でした。明治4年(1871)に龍岡城が取り壊しになる中で、他の建物は売られて移築されましたが、お台所はこのまま残り、明治8年に開校した尚友(しょうゆう)学校(現在の田口小学校)の校舎として使用されました。その後、新校舎建築に伴い、昭和4年(1929)に現在の場所に移築されました。

 最後に、龍岡城跡の石垣の種類について見てみましょう!!
 お城の石垣は通常は作られた時代によって積み方も変わってきます。しかし、龍岡城は、短期間で作られたお城であるにもかかわらず、いろいろな積み方が見られます。

 どうして龍岡城跡の石垣の積み方はこのように違いが出てくるのでしょうか?まず、石垣は石が隙間なく積まれていると、頑丈な石垣になります。そのため、濠の内側は大砲などの攻撃に耐えるために、隙間のない切込接という方法が使われました。また、砲台では大砲を使うので、その下の石垣は最も頑丈な積み方にしなければならないので、六角形に加工した石を積む亀甲積という方法が使われました。
 そして、濠の外側の石垣は、正面の大手門付近は多少隙間があるものの、打込接という方法できれいに積まれていますが、だんだんと東、南に行くにつれて、加工していない自然石を積む野面積という方法が使われました。おそらく幕末という動乱期で工事を急いでいたため、正面だけをきれいに積んだのではないかと考えられます。

 

 「龍岡城跡」の「おうちで社会科見学!!」を楽しんでいただけましたか?
 第3弾は国天然記念物「岩村田ヒカリゴケ産地」を予定しています!!

お問い合わせ先

佐久市教育委員会文化振興課文化財事務所
住所:長野県佐久市中込2913番地
電話:0267-63-5321

お問い合わせ

社会教育部 文化振興課
電話:文化振興・文化施設係:0267-62-5535  文化財保護・文化財調査係:0267-63-5321
ファックス:文化振興・文化施設係:0267-64-6132  文化財保護・文化財調査係:0267-63-5322

お問い合わせはこちらから

本文ここまで

ページの先頭へ