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五郎兵衛記念館トピックス

更新日:2021年3月19日

令和2年度

五郎兵衛用水世界かんがい施設遺産登録記念特別講演が論文として公開されました。

佐久市と記念講演講師の竹林博士
 日本国内で、ダム技術に関しては、最高権威者のひとりに数えられる旧建設省当時に地質官であった、富士常葉大学名誉教授の竹林征三博士は、若かりし頃旧建設省在任中、市川五郎兵衛の常木用水・三河田用水の開発に当たり水源とした当佐久市内の湯川へのダム建設に際し、地元佐久市負担を極力抑えるよう制度政策を活用し、地元負担低廉について大変なご便宜を図ってくださいました。
風土工学の誕生
 竹林博士はその後、生涯をかけて強度や機能一辺倒の土木構造物の構築から、人間的感性豊かなデザイン構造物への建設のため、新たに『風土工学』という独創的な学問を誕生させています。
 それは竹林博士が元建設省の土木技官として奉職した、治山治水の現場での苦難極めた現場管理の中から編み出した、人と環境にやさしい新しい工学体系です。
 竹林博士は日本の治水の歴史について、それは4千年という時を数える古代中国にその源流があることを歴史資料の中から確かめられ、大変多くの著書、論文を精力的に発表し、自然にやさしい東洋の叡智を活用した治水対策、その普及のため風土工学デザイン研究所を主宰して来られました。

五郎兵衛用水と竹林博士
 国内調査研究の中で「五郎兵衛用水」を知った竹林博士は『日本で一番知られていない五郎兵衛用水を世に出さなければいけない』と、平成31年3月に開催の「五郎兵衛用水世界かんがい施設遺産登録記念特別講演会」では講師として駆けつけてくださり、講演の演題として『日本の治水史・4千年の系譜』---都江堰・大久保長安・五郎兵衛用水---として感銘深い記念行事が盛大に開催できました。
 この度、当日の講演要旨を補足した論文を竹林博士は「風土工学だより 第74号」に発表されました。広く社会の皆様に知って頂くため、竹林博士、及び「特定非営利法人風土工学研究所」のご了承のもと公開します。その内容は、五郎兵衛用水が平成30年(2018)に「世界かんがい施設遺産」に登録となり、登録を記念して行われた特別講演の資料を竹林博士が加筆・再構成されたものです。

海外情報誌ARDECに寄稿

 五郎兵衛用水は「世界かんがい施設遺産」に登録されていますが、五郎兵衛記念館の登録への道のりとその後の取り組み、また登録後の地域振興への貢献について、(一般財団法人)日本水土総合研究所発行の海外情報誌へ寄稿し、世界へ発信されました。
 この「ARDEC」(アルデック)は、日本水土総合研究所が発行している農業農村開発にかかる情報発信を目的としています。
 世界の農業農村開発に関心のある一般の方、大学、高校、関係機関(農水省、都道府県)、関係団体(土地連、土地改良区、農協等)などの1,300個所に、約3,000部が配布されています。

平成30年度

企画展を3月に開催しました。==「郷土を築いて来た祖先たち」-「佐久の日」にちなみ==

3月1日から10日まで「佐久の日」の企画展示として「郷土を築いて来た祖先たち」をテーマに当記念館所蔵の貴重な古文書群から協働・共助の祖先の行いを古文書や再現模型を利用し展示しました。

佐久ならではの困難な課題

 その一つが中山道最大の難所である千曲川往還橋です。日本一の大河・千曲川(信濃川)を越えるこの橋は、当館の古文書によると江戸時代に83回も増水により流されています。中山道が通れなくなることは旅客、物流、通信等の国内の幹線を停滞させてしまします。ですから橋の復旧を急がねばなりません。この緊急の再架橋工事にあたったのが、佐久平の130の村々です。天領、諸藩、旗本領を問わず総がかりで、3万人もの人の出役で復旧させた橋を絵図や模型を利用し展示いたしました。
 もう一つ、佐久平の川西地方は河岸段丘の上に形成された農村のため水田のかんがいに大変苦労しました。御牧原では400か所の溜池、また佐久の4大用水の内の五郎兵衛、八重原、塩沢という3つの用水が開発されています。農民というと”我田引水”との言葉が浮かぶようですが、ここ佐久平では、表土の流入で湛水能力が失われる溜池を守るために、受益者だけなく小諸藩、岩村田藩の垣根を超えた南北佐久郡の1万6千人もの人々が浚渫作業にあたりました。この協働の作業の歴史を文書や模型の展示でお伝えしました。

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お問い合わせ

社会教育部 文化振興課
電話:文化振興・文化施設係:0267-62-5535  文化財保護・文化財調査係:0267-63-5321
ファックス:文化振興・文化施設係:0267-64-6132  文化財保護・文化財調査係:0267-63-5322

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