更新日:2015年2月2日
1つの原型から同じものをたくさん作ると、複製やコピーと呼ばれるでしょう。しかし、たくさん作られていても複製と呼ばないものがあります。
それは「版画」です。
もともと版画は宗教の布教のために使われた技術とされています。「版によって表現すること」は、最初は多くの人に伝えるための手段であったのですが、次第に「刷る」事でしか生まれない独特の表現に興味が向けられ、版による表現を行う人々が現れました。
そこから、「オリジナル版画」という概念も生まれてきました。
さて、更にややこしいのはここからです。基本的にオリジナル版画は原版は作家が責任を持って作ることが条件だといわれています。
しかし、もしある作家が版画で作品を表現したいと思ったとき、版画の技法が難しいため、下絵だけを作成して他の人に原版の作成をお願いしたとします。それはオリジナル版画というのでしょうか。
もちろん、本人が原版を作っていないという観点から見たならばオリジナルとはいえないかもしれませんが、版画で表現したいと思ったならば単純に複製と言い切るのも難しいのではないでしょうか。
毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。
午前9時30分~午後5時