佐久市新品目導入試験ほ場での栽培状況について
更新日:2019年12月2日
佐久市営農支援センターでは、新品目の農作物や新技術について、佐久市の気候や風土に合い、かつ経済性を発揮できるか試験し、適合する品目等において農業者へ普及を図るため、佐久市跡部の試験ほ場において事業を進めています。こちらでは、一部ですが、栽培状況を掲載しております。
- アスパラガス、ホワイトアスパラガス(密植栽培による収量調査)
- カモミールの実証展示栽培
- ミニトマトの優良品種選定試験
- 佐久古太きゅうりの実証展示栽培
- ベニバナインゲンの栽培適性試験
- ハウスを利用したメロンの実証展示栽培
- ズッキーニの優良品種選定試験
- ハウスを利用したホワイトトウモロコシの実証展示栽培
- 冬至かぼちゃの適性品種試験
- 冬期野菜栽培品目検討試験
アスパラガス、ホワイトアスパラガス(密植栽培による収量調査)
品種 ウェルカム
定植日 平成30年4月27日 株間40センチ
栽培状況
2019年4月15日 発芽し始める
2019年4月19日 発芽本数が増加
2019年4月22日 芽が20センチ程度まで伸びる
4月22日ホワイトアスパラ栽培用1畝に支柱を設ける
4月22日ホワイトアスパラ用1畝を遮光被覆材で覆う
4月23日 収量調査(本数、重さ)開始
5月1日~5月6日 1日平均収穫量23本400グラム
トンネルにより霜の被害を防ぐことも可能
2019年5月1日~5月6日 1日平均収穫量12本200グラム
2019年5月31日ホワイトアスパラ収量調査 終了
2019年5月31日アスパラ収量調査 終了
カモミール(マルチ有無による生育比較調査)
品種 ジャーマンカモミール
定植日 平成30年11月22日 株間35センチ
栽培状況
4月16日 マルチ有無ともに草丈10センチ程度まで生育
4月21日 マルチ有無ともに草丈20センチ程度まで生育
5月6日マルチ有無ともに草丈30センチ程度まで生育
一部で花が咲き始める
5月15日マルチ有無ともに草丈45センチ程度まで生育
花が多くなり、刈取り適期間近
5月20日 マルチ有無ともに50センチ程度まで生育
刈取り作業 手刈りで行い、藁で結束し、マルチの上で一晩乾燥
ビニールハウス内で単管パイプにかけ乾燥
7月9日 乾燥させたカモミール
裁断したカモミールを袋に詰め、計量
出荷(235キロ)
ミニトマトの優良品種選定試験
佐久市内の有力品種であるサンチェリーピュアより、耐病性に優れ、なおかつ食味や樹勢、出荷規格などにおいて良いものを探すために、今年度は対象品種のサンチェリーピュアを含む5種類で試験を実施します。(TTM-117は前年度の結果を受け、今年度再検討。)
品種
サンチェリーピュア | TTM-117 |
N-526 | AS-356 | キャロルスター |
---|
定植日 令和元年5月23日 株間40センチ
栽培状況
5月23日
サンチェリーピュア
TTM-117
N-526
AS-356
キャロルスター
6月12日(定植から20日) 草丈約55センチ
サンチェリーピュア
TTM-117
N526
AS-356
キャロルスター
6月25日(定植から33日) 草丈約80センチ
サンチェリーピュア
TTM-117
N-526
AS-356
キャロルスター
キャロルスターの果実
7月2日(定植から40日) 草丈約120センチ
サンチェリーピュア
TTM-117
N-526
AS-356
キャロルスター
8月8日 第1回 優良品種選定試験
JA全農長野、JA佐久浅間、長野県佐久農業改良普及センターの職員の皆さまに品種選定試験を実施していただきました。
草勢、開花数、果のそろい、糖度等について試験を行いました。
草勢や果の状況について確認
糖度測定の様子
佐久古太きゅうりの実証展示栽培
佐久古太きゅうりは、昭和20年代から佐久地方で広く栽培されてきました。佐久に古くからある太いきゅうりということで、生産者によって「佐久古太きゅうり」と名付けられました。普通のきゅうりより太く短く、黒いイボと実の半分が白い見た目が特徴です。平成29年には「佐久古太きゅうり保存会」が発足し、伝統的な栽培方法や特徴を保存・継承するとともに、「信州の伝統野菜」として普及拡大を図る活動をしています。
当試験ほ場では、平成23年度から継続して実証展示栽培を行い、栽培者を増加させるための取り組みを行っています。
定植日 令和元年5月23日 株間180センチ
栽培状況
5月23日定植後の古太きゅうり
5月28日(定植から5日後)
6月4日(定植から12日後)
6月12日(定植から20日後)草丈約50センチ
6月25日(定植から33日後)草丈役1メートル
7月12日(定植から50日)
草丈が2メートルを超え、収量が増え始める
8月 収穫量がピークを迎える
10月11日収穫終了
ベニバナインゲンの栽培適性試験
栽培適地が標高800メートル以上であるベニバナインゲンが、標高約670メートルの当試験ほ場でどの程度(収穫量、品質)を収穫できるか試験を行います。
定植日 令和元年6月5日 株間150センチ
栽培状況
6月5日(定植)
6月12日(定植から7日後)草丈約50センチ
6月25日(定植から20日後)草丈役180センチ
7月10日(定植から35日)
草丈が2メートルを超える
8月14日(定植から70日)
莢が増える
9月11日(定植から98日)
褐色に変化した莢
10月28日(定植から145日)
茎葉も褐色に変化
10月28日収穫し、ブルーシートの上で乾燥させる
脱粒後の花豆
規格 | 収穫数(個) | 収穫量(g) | 1個平均重(g) | 規格別(g) | 等級比率 |
---|---|---|---|---|---|
大A | 534 | 1620 | 3.0 | 4090 | 67.4% |
中A | 1064 | 2280 | 2.1 | ||
小A | 133 | 190 | 1.4 | ||
大B | 132 | 300 | 2.3 | 1480 | 24.4% |
中B | 593 | 1140 | 1.9 | ||
小B | 53 | 40 | 0.8 | ||
規格外 | 353 | 500 | 500 | 8% | |
計 | 2862 | 6070 | 6070 | 100% | |
1株当 | 357.8 | 758.8 |
メロンの実証展示栽培
遊休期間の長い水稲育苗ハウスを有効利用し、少ない投資で所得向上が図れるよう、果樹の試験栽培を行います。
今年度は、メロンをプランターで栽培しています。プランター栽培は、ハウス内を耕起しないため、翌年の水稲育苗には影響なく、残留農薬の被害も回避できます。また、プランターによる隔離栽培のため、土壌病害等のリスクを軽減することができます。
定植日 令和元年6月20日 株間50センチ
品種 パンナ、レノン (各16本)
栽培状況
6月20日 プランターに定植
6月20日 定植時の苗
7月10日 誘引(2本仕立て)
7月23日 雌花に受粉させる
7月30日(交配日から8日)落果防止のため、果実をひもで吊る。
8月7日(交配日から16日)果実が5センチ程度に成長
8月14日(交配日から23日)
果実が12センチ程度まで成長(果実表面にネット形成)
8月16日(交配日から25日)落果防止のため、袋かけを行う。
9月10日(交配日から50日)水切りを実施
9月17日(交配日から57日)パンナ22玉収穫
9月24日(交配日から64日)レノン20玉収穫
収穫直後のパンナ
1週間追熟後のパンナ
収穫直後のレノン
1週間追熟後のレノン
追熟したものを市内直売所に出荷し価格調査を実施
収穫日 | 9月10日 |
9月17日 |
|||
---|---|---|---|---|---|
糖度測定日 | 9月11日 | 9月17日 | 9月24日 (1週間追熟) |
9月30日 (2週間追熟) |
|
交配日からの日数 | 50日 | 57日 | 57日 | 57日 | |
糖度 | 果肉中心部 | 9.0 | 17.2 | 14.2 | 14.1 |
果肉外側 | 10.2 | 9.7 | 8.8 |
収穫日 | 9月17日 | 9月24日 |
|||
---|---|---|---|---|---|
糖度測定日 | 9月17日 | 9月24日 |
9月24日 | 9月30日 |
|
交配日からの日数 | 50日 | 50日 | 57日 | 57日 | |
糖度 | 果肉中心部 | 12.7 | 13.3 |
17.9 | 16.5 |
果肉外側 | 7.3 | 11.3 | 12.4 |
ズッキーニの優良品種選定試験
佐久市の有力品目であるズッキーニの秋季収穫品種について、耐病性や樹勢、出荷規格などにおいて良いものを探すために対象品種(グリーンボード2号)を含み5品種での試験を実施
品種
グリーンボード2号 | KZ-パワー | KAQ-019 | 試交652 | TSX-731Z |
---|
定植日 令和元年7月30日 株間 100センチ
栽培状況
7月30日
定植時の苗の様子
8月7日(定植から1週間)
グリーンボード2号
KZパワー
KAQ-019
試交652
TSX-731Z
8月15日(定植から2週間)
グリーンボード2号
KZパワー
KAQ-019
試交652
TSX-731Z
TSX-731Zの実
8月22日(定植から3週間)
グリーンボード2号
KZパワー
KAQ-019
試交652
TSX-731Z
8月22日 品種選定試験実施
ハウスを利用したホワイトトウモロコシの実証展示栽培
遊休期間の長い水稲育苗ハウスを有効利用し、少ない投資で所得向上が図れるよう野菜の試験栽培を行います。ホワイトトウモロコシを通常の栽培期間より遅らせて栽培することで、供給が減る時期に収穫・出荷できるか試験を行います。
定植日 令和元年8月6日 株間50センチ
栽培状況
8月6日 定植
8月16日(定植から10日)
8月22日(定植から16日)
9月13日(定植から38日)
9月20日(定植から45日)
雌穂のひげが茶色くなり始める
10月4日(定植から59日)収穫
収穫後のホワイトトウモロコシ
200g未満 | 1本 |
---|---|
200g以上250g未満 | 3本 |
250g以上300g未満 | 4本 |
300g以上 | 2本 |
冬至かぼちゃの適性品種試験
転作作物の有力品種として、また、カモミールの後作作物として、3品種を比較栽培を行います。
品 種
栗五郎 | ジェジェJ | W8902 |
---|
定植日 令和元年7月30日 株間40センチ
栽培状況
7月30日 定植
定植時の苗
8月16日(定植から17日後)
葉の枚数が20枚程度になる。
8月27日(定植から28日)受粉させる
9月4日(交配後7日)
実の下に座布団を敷く
9月13日(交配後16日)
実が15センチ程度になる。
10月7日(交配後41日)
日焼け防止のため、実の上に葉を載せる
10月11日(交配後45日)収穫
左から栗五郎、ジェジェJ、W8902
栗五郎 |
ジェジェJ | W8902 | |
---|---|---|---|
定植量 |
73本 | 28本 | 29本 |
2.0キログラム未満 |
7個(11%) | 6個(35%) | 6個(26%) |
2.0キログラム以上2.4キログラム未満 |
19個(31%) | 0個 | 2個(9%) |
2.4キログラム以上 | 35個(57%) | 11個(65%) | 15個(65%) |
合計 | 61個 | 17個 | 23個 |
11月26日食味試験
左から栗五郎、ジェジェJ、W8902
試験項目 | 栗五郎 | ジェジェJ | W8902 |
---|---|---|---|
味 | 3.94 | 3.29 | 2.9 |
甘さ | 3.51 | 2.94 | 2.49 |
果皮の硬さ | 2.26 | 3.44 | 3.67 |
食感 | 2.52 | 3.4 | 3.22 |
果肉色 | 3.62 | 3.52 | 3.3 |
各試験項目5段階評価の平均点
【味】1不良~5良 【甘さ】1薄い~5濃い 【果皮の硬さ】1柔かい~5硬い 【食感】1粘り~5粉 【果肉色】1黄色~5オレンジ
冬季野菜栽培品目検討試験
市内の直売所等においては、冬期間も地物野菜に対する顧客の需要がありますが、その時期は品薄な状態となっています。そのため、本試験では冬季の出荷を想定し、無加温の施設内において播種日や栽培方法の組み合わせにより収穫可能な期間を把握するための試験を行います。
栽培品目
ホウレンソウ | コマツナ | ツケナ | カラシナ | 芽キャベツ |
---|---|---|---|---|
ミニハクサイ | タアサイ | エンドウマメ | ソラマメ |
ホウレンソウ | コマツナ | ツケナ | カラシナ |
---|
栽培状況
外張+内張ハウス(プランター栽培)
11月26日 播種
野菜栽培講習会参加者に播種していただきました。
外張(内張なし)ハウス(トンネル栽培)
11月26日 播種
トンネル設置
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