更新日:2026年3月1日
3月は、吉川 かおり《planet》を紹介します。
「月替わりコレクション紹介」について
《planet》
制作者 吉川かおり
制作年 2021年
材質・技法 石粉粘土、透明水彩、鉄
寸法 77.5×80.0×74.0センチメートル
本作品には、洋服を着た白クマやキリンなど、全部で7種類の動物がジャングルジムで遊んでいます。ジャングルジムの上に座ったりぶら下がったり、あるいはぐでっと寝そべったり、動物たちの愛らしい動きが表現されています。
それぞれの動物たちの手足のフォルムや色、顔などは、実在する動物たちを精巧に再現しているといえますが、一方で実際には洋服を着ることのない動物たちが洋服を身にまとって人間のように遊んでいるこの作品は、いわゆる写実とは異なり、空想的な要素が含まれています。
この作品の制作の背景には、美しい動物たちが消えてゆく未来を考え、その姿を留めたいという想いがあります。吉川が幼少期に公園で遊んだ、今はもう消えてしまったジャングルジムを地球に見立て、そこに遊ぶ絶滅危惧種の動物たちが同じ道を辿らないようにという祈りが込められています。この人間と動物の共生というテーマは、様々な環境問題が叫ばれている昨今の情勢を、まさに反映しているといえるのではないでしょうか。
一見愛らしく見える作品であっても、それを紐解いていくと、実はそこには様々な想いや願いが込められています。
吉川は、石粉粘土に透明水彩をにじませて描く立体作品を「Clay Animal」と名付け、20数年以上にわたって世に発表しています。動物を題材としながらも、吉川が表現しているのは動物ではなく、その向こうにある景色や空気、あるいは願いです。
作品を鑑賞しながら、その先にある何かに想いを馳せてみてください。
吉川かおり(1966-)
1966(昭和41)年、東京都に生まれる。1989(平成元)年、武蔵野美術大学油絵学科卒業。株式会社吉徳にぬいぐるみデザイナーとして入社(1993年まで)。2003(平成15)年、個展(kopis Gallery/東京)開催。2009(平成21)年、個展「時の川原で~ゆりかごでひと眠り~」(画廊椿/千葉)開催、「38Hands展」(STUDIO/静岡)出品、個展(kopis Gallery/東京)開催。2013(平成25)年、個展(横浜高島屋美術画廊/神奈川)開催。2018(平成30)年、個展「彼方」(ギャラリーカメリア/東京)開催。2020(令和2)年、個展「何処かの街」(アートサロンESPACE KYOTO/京都)開催、個展(米子高島屋/鳥取)開催。2021(令和3)年、個展「吉川かおりclay animal exhibition「永い旅」」(日本橋高島屋/東京)開催。2022(令和4)年、個展(岡山高島屋/岡山)開催。2023(令和5)年、個展「sight」(横浜高島屋/神奈川)開催、個展「あらわれる」(ギャラリーカメリア/東京)開催。2025(令和7)年、個展「Clay Animal 展 -空気の気持ち-」(九つ井 山の上ギャラリー/神奈川)開催、個展「Clay Animal Exhibition「星を仰ぐ人」」(名古屋高島屋/愛知,岡山高島屋/岡山)開催、個展「Clay Animal Exhibition「空を仰ぐ人」」(大阪高島屋/大阪)開催。


毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。
午前9時30分~午後5時