更新日:2026年9月15日
令和8年7月28日(火曜日)に、「教員のための美術館の日」(教員のための博物館の日)(主催:佐久市教育委員会(佐久市立近代美術館)、共催:国立科学博物館、公益財団法人日本博物館協会、佐久教育会、後援 文部科学省)を開催しました。
佐久市立近代美術館では、国立科学博物館が主宰する
「教員のための博物館の日」(外部サイト)へ参加し、「教員のための美術館の日」を開催しています。これは、教員の皆さんに「博物館に親しみをもってもらうこと」、「博物館にある授業に役立つ学習資源を知ってもらうこと」を目的としたものです。佐久教育会夏期研修講座「わくわく造形活動Ⅺ」とタイアップして行われ、教員と教員をめざす学生の皆さん計19名が参加しました。
昨年度に続き2部構成で、第1部に佐久市立近代美術館による「教員のための美術館の日」、第2部に佐久教育会による佐久教育会夏期研修講座「わくわく造形活動Ⅺ」を開催しました。今年度は、第1部では開催中の企画展「浅間山をトレース 島 州一展」(会期:令和8年7月18日~8月30日)に併せて、美術家・島州一の世界をより深く知り、また、現代美術が苦手という方も楽しみながら参加できるよう、現代美術入門トークと展覧会観覧、そしてワークショップ「公園の自然をうつす」(かんたん草木染め)の3つの体験を行いました。

「現代美術入門トーク」の様子
「現代美術入門トーク」では、近代から現代にかけての西洋絵画史の大まかな流れを踏まえながら、現代美術の成り立ちとその特徴を解説し、現代美術の手法で制作した島州一さんの作品鑑賞のポイントを紹介しました。アカデミックなアングルと前衛のマネ、印象派のモネや後期印象派のゴッホ。そして、セザンヌからピカソ、モンドリアン、マレーヴィチといったフォーマリズムへの動き。さらに、デュシャンから始まる現代美術の流れ。そしてポロック、草間彌生、金山明、中西夏之などの絵画技法の変遷をたどると、島さんが「トレース」という手法をとった時代背景が見えてきます。

「島州一展」を鑑賞しました
その後、展覧会の担当学芸員と一緒に「島州一展」を鑑賞しました。写真は島さんの代表作《Tracing-Shirt》シリーズを観ているところです。このシリーズは通常の絵画の描き方とは異なり、まず、シャツの上にトレーシングペーパーを置いて形をなぞって写し取り(トレースして)、その形をカーボン紙で別の紙に転写してから色を塗る、という工程で作られました。モチーフになったシャツは島さんが普段から着ていたもので、東御市のアトリエから見えた浅間山に見立てられています。
(企画展「浅間山をトレース 島 州一展」については こちらへ)

草花のたたき染めをしている様子
最後はワークショップ「公園の自然をうつす」(かんたん草木染め)です。島さんの表現手法「トレース」にちなんで、たたき染めでハンカチを作りました。布の上に葉や花を置き、木槌でたたいて色や形を写し取ります。少しコツがいりますが、白い布に草花の鮮やかな色や形がついていくのがとても面白かったです。これはきっと、子どもたちが夢中になる予感がします…!(ただ、木槌の叩く音が大きいので大勢でやると大音響となり注意が必要です!)
第2部では、会場を佐久創造館へ移して、佐久教育会による佐久教育会夏期研修講座 わくわく造形活動Ⅺ「実技ワークショップ~漆芸について学ぶ~」が行われました。

「実技ワークショップ~漆芸について学ぶ~」の様子
講師に漆芸作家の井坂友美さんをお迎えして、 螺鈿の研ぎ出しによるお箸をつくりました。お箸の上に塗られた漆の層を丁寧に研いでいくと、はめ込まれた螺鈿が浮き出てきます。力を入れすぎると螺鈿の所が削られてしまうそうで、「力加減が難しい」とのこと。漆黒に浮かび上がるキラキラした模様がとてもきれいでした!
3回目となる今年の「教員のための美術館の日」では、真剣にワークショップに参加されている姿などから、改めて身近な自然や生活の道具などからも、子どもだけでなく大人も夢中になれる美術の良さを感じた1日でした。また、今年は教育課程を学ぶ学生にむけて県内の大学、短大等にも告知範囲を広げたところ、学生さんの参加があり、とても嬉しかったです。本企画が、現役の先生と教員を目指す学生との交流の場にもなったらいいなと思っています。終了後、いくつかの学校の先生から、学校と美術館との連携についてご相談をいただきました。これを機会に先生方の要望をお聞きし、参考となる資料提示や美術館としてのアドバイスをお伝えするなどして、少しでも、美術を通じた博学連携を深めていきたいと思います。


毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。
午前9時30分~午後5時