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月替わりコレクション紹介・比田井 天来《一為遷客去長…》5月31日まで

更新日:2025年5月1日

このページでは、月替わりでコレクション(当美術館の収蔵資料等)を1点ずつ紹介します。

5月は、比田井(ひだい) 天来(てんらい)《一為遷客去長…》を紹介します。

「月替わりコレクション紹介」について

  • このページでは、月替わりで佐久市立近代美術館の収蔵資料(または駒場公園内の野外彫刻作品)を1点ずつ紹介します。
  • 毎月1日に更新し、月の末日に公開を終了します。
  • 展覧会期の都合などで、このページの公開期間と館内での作品の展示期間が異なる場合があります。作品展示期間については、ページ末尾の「展示情報」をご確認ください。
  • 画像の転載は禁止します。

比田井 天来《一為遷客去長…》

基本情報

《一為遷客去長…》
制作者:比田井 天来
生没年:1872-1939年
制作年:1935-1937年頃
材質・技法:紙本墨書
寸法:高さ170.5×幅80.5×2扇

解説

比田井天来は、長野県北佐久郡協和村片倉(現 佐久市協和)生まれの書家です。明治 30 年(1897)に上京し、日下部(くさかべ)鳴鶴(めいかく)に入門して書を学びました。 天来は鳴鶴から、鳴鶴の書いた手本ではなく、古典を学ぶよう指導されました。これが、後の天来自身の弟子への指導法にも連なります。
天来が鳴鶴のもとで習った用筆は、羊毛筆による廻腕法(かいわんほう)でしたが、古典を臨書する中で廻腕法では表現が難しい古典があると感じた天来は、大正 2 年(1913)頃から用筆法の研究をはじめ、古法(俯仰法(ふぎょうほう))を発見しました。そして、その集大成として、自らの臨書と碑法帖の原跡を掲載した『学書筌蹄(がくしょてんけい)』全 20 集を大正 10 年(1921)から刊行しました。
天来は長く弟子をとりませんでしたが、昭和 4 年(1929)上田桑鳩(うえだそうきゅう)を弟子にとったのを皮切りに、弟子をとるようになりました。そして、その弟子たちに師風伝承ではなく古典の臨書による学習をすすめたことで、天来の弟子たちの多くは、「現代書」の担い手となりました。

本作品に書写されているのは、李白「與史郎中欽聽黄鶴樓上吹笛」です。60代初め頃に書かれたもので、天来の書風の完成されたすがたを見ることができます。羊毛筆を用いて古法(俯仰法)で書かれた本作品からは、悠然とした趣きが感じられます。
古法(俯仰法)とは、起き上がり小法師のように、筆の軸を回転させながら書く筆法です。「沙」の斜画や「中」の縦画の線がだんだんと太くなっていくところには、この筆法の特徴が顕著に表れています。

令和6年度に新たに収蔵した本作品は、5月17日(土曜日)から始まる「新佐久市誕生20周年記念事業 佐久市立近代美術館・佐久市立天来記念館連携企画 比田井天来とその流れ」で初披露します。
この展覧会では、40代の頃に書かれた天来の作品も展示していますので、比較しながら、書風の移り変わりを楽しんでいただけますと幸いです。

展示情報

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イベント情報

佐久市立近代美術館 油井一二記念館

〒385-0011
長野県佐久市猿久保35番地5
電話:0267-67-1055
ファックス:0267-67-1068
お問い合わせはこちら
アクセス方法
アクセスマップ

休館日

毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。

開館時間

午前9時30分~午後5時

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