更新日:2024年3月20日
平山郁夫(1930-2009)は、現代の日本画家で最も知られているうちの一人です。仏教やシルクロードを題材とした作品を制作し続けたほか、国内外での文化財保護活動にも尽力しました。
当館では、故油井一二氏から寄贈された平山郁夫の作品を約20点収蔵しています。特に画業初期に制作された大作3点(《仏教伝来》《天山南路(夜)》《出現》)は、平山の作品世界を知る手がかりとなる、重要な作品です。
公開にあたっては、作品保護の観点から下表のとおり展示期間を設定しています。特別な場合を除き、同一期間に3点同時に展示しませんのでご了承ください。
会期 | 3月16日(土曜日)~ 5月6日(月曜日) |
5月18日(土曜日)~ 6月23日(日曜日) |
7月13日(土曜日)~ 9月1日(日曜日) |
9月14日(土曜日)~ 11月4日(月曜日) |
3月15日(土曜日)~ 5月6日(火曜日) |
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作品名 | 天山南路(夜) | 出現 | 出現 | 仏教伝来 | 天山南路(夜) |
《仏教伝来》は、平山が母校東京藝術大学で助手を務めていた1959年、29歳の頃に描かれた作品です。再興第44回院展に出品された本作は、惜しくも受賞には至らなかったものの、美術評論家の河北倫明の目にとまり、新聞展評に取り上げられました。そののち、釈迦の伝記など仏教の世界にテーマを定め、61年と62年には《入涅槃幻想》と《受胎霊夢》で、2年連続での日本美術院賞(大観賞)を受賞しました。
《天山南路(夜)》は60年、《出現》は62年に院展へ出品された作品です。この後の「仏伝シリーズ」と呼ばれる作品群が、のちに平山をシルクロードへと導きました。
西暦 | 年齢 | できごと |
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1930年 | 0 | 広島県豊田郡瀬戸田町(現尾道市瀬戸田町)に生まれる |
1947年 | 16 | 東京美術学校(現東京藝術大学)日本画科予科に入学 |
1952年 | 21 | 東京美術学校日本画科卒業、同科副手となる |
1953年 | 23 | 第38回院展に《家路》初入選 |
1959年 | 29 | 第44回院展に《仏教伝来》入選 |
1960年 | 30 | 第45回院展に《天山南路(夜)》入選 |
1961年 | 31 | 第46回院展で《入涅槃幻想》が日本美術院賞(大観賞)を受賞 |
1962年 | 32 | 第47回院展に《出現》《受胎霊夢》出品。《受胎霊夢》が日本美術院賞(大観賞)を受賞 |
1964年 | 34 | 日本美術院同人に推挙 |
1973年 | 42 | 東京藝術大学美術学部教授に就任 |
1978年 | 48 | 第63回院展で《画禅院青邨先生還浄図》が内閣総理大臣賞を受賞 |
1988年 | 58 | ユネスコ親善大使に任命 |
1989年 | 59 | 東京藝術大学学長に就任(~1995) |
1993年 | 63 | 文化功労者として顕彰 |
1994年 | 64 | 文化財保護振興財団(現・文化財保護・芸術研究助成財団)理事長に就任 |
1996年 | 66 | レジオン・ド・ヌール勲章受章 |
1998年 | 68 | 文化勲章受章 |
2000年 | 70 | 薬師寺玄奘三蔵院《大唐西域壁画》を完成させる |
2001年 | 71 | 東京藝術大学学長に再任(~2005) |
2002年 | 72 | 中国政府より「文化交流貢献賞」受賞 |
2004年 | 74 | 朝日賞受賞 |
2005年 | 75 | 日韓友情年日本側実行委員長に就任 |
2005年 | 76 | 東京国立博物館特任館長に就任 平城遷都1300年記念事業特別顧問に就任 |
2009年 | 79 | 逝去 |
毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。
午前9時30分~午後5時