教育長及び教育委員の紹介
更新日:2023年7月31日
教育長:吉岡道明
柔軟に自分の頭で考える
3年間の教育委員経験を経て、この度、教育長を拝命致しました。
以前勤めた高等学校現場では、「感じて、学んで、考えて、行動する」をモットーに生徒及び教職員と一緒になって学校運営に臨みました。そこで一番大事にしていたのは、感性=センス・オブ・ワンダーです。子どもたちはもちろん大人も含めて、「なぜ、どうして」と思う心を大事にし、共有し、学んで話し合い実行し、その後検証して次につなげる。このサイクルは、今のこの立場にあっても続けていきたいと思っています。
ところで今般、教育の世界は大きな波に翻弄されています。消毒やリモート授業等といった新型コロナへの対応はもちろん、指導要領改訂に基づく授業改善、英語教育やプログラミング教育、ICT習熟に加え、様々な個性を持つ児童生徒への対応は、従来にも増してきめ細かな配慮が求められています。
学校現場の教職員及び市教委事務局員の疲労や児童生徒及び保護者の皆様の混乱を思うと心が痛みます。何とか現場をサポートしたい、彼等が笑顔で児童生徒と接することができるよう力を尽くしたい、それが今の私の偽らざる心境です。
柔軟に自分の頭で考える、スモールチェンジを実行する、楽しく仕事をする、の3つを念頭に、子どもたちの育つ力を信じ、その人生が幸福なものとなるよう心から願いながら、与えられた自分の役割を誠実に果たしていきたいと思っています。
教育長職務代理者:井出忠臣
どの子どもにも夢と志をもって切り開く力を
佐久市の生産年令人口の推移をインターネットで検索して調べてみました。国勢調査と厚生労働省社人研の出した将来推計人口では、今6歳の子どもたちが生まれた頃の生産年令人口は56755人でした。その子どもたちが30歳になる2045年頃には39983人と予測されております。約30%の減少となります。保護者世代となる40歳頃には40%減になるかもしれません。これからの30年で佐久市を支える皆さんが大きく減少してしまうわけです。ということは、今、学校で学んでいる子ども達は、一人一人がこれからの社会を支える本当に大切な存在であるということです。
ただ、これからの30年は社会が急激に変化する時代です。教育もそうした時代に対応しようと変革を始めました。たとえば、令和3年1月から大学入試のセンター試験は大学入学共通テストに様変わりしました。学力として問われるのは知識の量の多さではありません。自分で資料を読み解き、関係付けて考え、判断していく学力です。大学も、志をもつ学生を入学させる推薦枠を広げました。こうした変化に、高校も入試を含めた改革の真っ最中です。
これまでにも増して、どの子どもも夢と志を育み、自分で考え行動していく力を伸ばしていくことができるようにすることが求められます。そんなこれからの時代を生きる子ども達に、学校の先生方、保護者、地域の皆様と共に、よりよい学びの場ができますよう微力ではありますが努めてまいります。
教育委員:小林尚美
再任のあいさつ
このたび、令和5年5月18日付けで、佐久市教育委員会委員(2期目)を拝命いたしました。
再任に当たり、今年策定されました「佐久市教育振興基本計画」を、学校や地域において実践できるよう、これまでの職務経験を活かして努めてまいりたいと思います。
教育委員になってはや4年が経ちます。学校の校長先生や教頭先生、教育長はじめ教育委員、教育委員会事務局の皆さんと共に、新型コロナウイルスの感染予防対策や佐久市教育振興基本計画の改訂など努めてまいりました。
学校教育や社会教育において、これまでの一保護者という立場では知ることができなかったことも多く、貴重な経験をさせていただきました。
教育委員というのは長年教育に携わってこられた先生が着任されるものだと思っておりましたので、そのような経歴もない私にできるのだろうか?と、当初不安がありました。
しかし、教育委員会として様々なことに対応する中で、教育委員会の皆さんが、「保護者の視点」をとても大切にしてくださり、発言の機会をたくさんいただきました。豊富な知識と経験を持つ方に囲まれて、本当に学び多い期間となっています。
私は保護者の方から、いじめや不登校、学校の先生とうまくいかない、などの相談を受けることがあります。
その都度、教育委員会を通して学校につなげていくのですが、私の役割はそのような学校生活に関わる様々な思いを、学校や教育委員会にお伝えしていくことだと思っています。
また、3人の子育てで学んだことや発達障がい、特にLD【学習障がい】についてもっと学んで、多様な子どもに寄り添える学校教育を実現していくお手伝いをしたいと思います。
「学校」には、知識や社会性を身につけるなど多くの目的がありますが、最も重要な目的は、子どもたちが自分自身を発見し、その能力を最大限に引き出せるようサポートすることです。
今回改訂された佐久市教育振興基本計画は、教育委員会、校長先生をはじめとする学校、パブリックコメントでいただいた市民の方のご意見を伺い、丁寧に作り上げたものです。
子どもと保護者、先生にしっかり向き合い、誰一人置き去りにしない、子どもに関わる大人が「子どもをまんなか」にして考え行動することを広めていきたいです。
今後は、この佐久市教育振興基本計画を、「絵に描いた餅」とならないよう、学校現場や地域で“ブレない軸”として活用していただけるよう努めてまいりたいと思います。
私のモットーは Win-Win です。誰かが我慢をしたり辛い思いをする社会は良い社会とはいえません。
対話を中心とした「みんなが幸せになる学校と地域」を目指して、保護者を経験してきたからこそ気がつくことを大切にして、皆さんに教えていただきながら任期を務めてまいりたいと思います。
教育委員:宇都宮通孝
個に寄り添う特別支援教育の充実をめざして
38年間の教員生活、その後4年間就学支援委員会専門員を務めさせていただきました。この間、たくさんの素晴らしい子ども達、先生方、保護者・地域の皆様に出会えたことが宝物です。私の原点は特別支援教育です。子ども達から学び、子ども達と一緒に成長していくことを大切にしてきました。障がいがあるなしにかかわらず、誰にも光り輝く素晴らしさがあります。その良さを引き出し、伸ばすことができれば自分自身への自信と生きるエネルギーが生まれると思います。学校教育の基盤に個に寄り添う特別支援教育の考えを据え、それが充実されることを願っています。
雄大な浅間山、晴れ渡った大空や澄んだ空気が大好きで、平成元年より居を構え佐久市民となりました。楽しく学び、社会に出て自立するための生きる力や人への思いやりの心、そして、この美しい自然に恵まれたふるさと佐久市を愛する心を持った子ども達に育っていってほしいです。そのために、学校現場で頑張る先生方、愛情を注いで子育てをする保護者の皆様、温かく学校を応援してくださる地域の皆様等の声をお聞きし、今までの経験を活かし微力ながら精いっぱい務めていきたいです。
教育委員:松井聖
佐久の教育条件の向上を
佐久に生まれ育ち野沢北高卒業と同時に佐久を離れ、以後大学から社会人生活に渡る約25年間を主に東京の金融界で過ごして来ましたが、約10年前に佐久に帰郷しました。
目的は、佐久の教育条件の現状に風穴を空け向上の一端を担うためです。一昨年2021年8月に、高校在学時からのかねての腹案だった志士育成のための私塾を、佐久平駅近くに立ち上げました。
こうした活動の中で、このたび2023年4月に教育委員を拝命しました。この拝命を契機に、県立高校も含めた佐久の教育条件全般の改革・改善・向上のために、厳しい姿勢で取り組んでいきたいと考えています。
都会から地方への人々の移住を促進し、地域を健全に活性化させるカギは、住み良い環境、必要十分な所得収入、そして子育て/教育条件の三つだと考えます。しかし佐久には有力な進学高校が存在しません。子どもが将来への大きな夢を抱いても、それをサポートする学力研鑽条件が貧弱すぎるのです。加えて、小学生・中学生の学力の地盤沈下も嘆かわしい状況にあるとの認識です。子どもに罪はなく、佐久の社会風土の問題だと認識する必要があります。
次世代がより良い環境で過ごせる条件を整備するのは現在を生きる現世代の務めです。この、世代から世代への営為の積み重ねがあって、より良い社会が築かれるものだと考えます。
宜しくお願いいたします。