雪害及び寒害に伴う農作物等の被害防止対策について
更新日:2025年1月7日
1 雪害対策
共通事項
降雪時の農地・農業用施設への見回りは、気象情報を十分に確認するとともに、次の点に留意して、事故の回避を最優先とする。
・見回りをする際は携帯電話を携行し、一人で対応しない。
・すべりにくい靴を履く。
・落雪や倒壊の恐れのある施設には決して近づかない。
・ハウスの雪下ろし等を行う際は、複数人で作業を行う。
・大雪や吹雪等の悪天候時には、作業は行わない。
果樹類
・積雪が予想される場合は、早めに樹体や棚の支柱の点検、追加の補強を行う。
・防鳥網等棚上の被覆物は、降雪前に必ず取り外す。
・樹上に雪が多くたまる前に、こまめに払い落とす。
・大雪となる前に、あらせん定を実施しておく。
農業用ハウス・施設、畜舎等
・冬期間使用しないビニールハウスは、フィルムや防虫・防鳥網を取り外す。また、使用中のハウスでフィルム上に遮光資材や防虫・防鳥網がある場合は、取り外す。
・ハウスの耐雪補強として、中柱、水平引張線、筋かい等を設置する。
・中柱は直径10cm以上の丸太を4m以内の間隔で立て、必ず台石を入れる。また、水平引張線は、8~10番線の針金で2m以下の間隔で張る。筋かいは鉄パイプを使用する。
・加温設備のあるハウスでは、雪の降り始めから15℃以上に加温し、内張りカーテンを開け、ハウス上部の融雪を早める。この際、燃料切れとならないよう、燃料残量の確認、補給に留意する。
・加温設備のないハウスでは、ジェットヒーターや複数のストーブを入れる。その際は、周囲に燃えやすい物を置かない等、火災防止に十分留意する。
・屋根部への積雪量が多い場合は、直ちに除雪する。連棟ハウスの谷間の除雪や単棟ハウス間の除雪に特に注意する。なお、転落事故の無いよう安全確保を図って作業する。
・鳥獣被害対策用の防護柵は、降雪で破損しないよう適切に処置する。
・ハウス、燃料タンク、畜舎などへの道路は早めに除雪し、緊急時に対応できるようにしておく。
農業施設全般の停電対策
雪の付着、凍結等で電線が切断しやすくなるため、長時間の停電に備えて、小型発電機等の手配先の確認や機器点検を事前に行う。
寒害対策
施設栽培品目
・二重カーテン・内張りなどの多重被覆によってハウス内の保温性を高めるとともに、被覆面の隙間をふさいで気密性を高め、暖房効率を良くする。
・温度ムラでハウスの周辺部が凍害を受けやすいので、ダクトの配置を工夫し、循環扇等を活用してハウス内の温度が均一になるようにする。
・外気の著しい低温が予想される期間は暖房機の設定温度を高めとし、早い段階から加温を行う。
・きゅうり、トマト等は10℃以下の低温になると奇形果や低温障害を起こしやすいため、温度計を設置してハウス内の最低温度に注意を払い、必要に応じて暖房機の設定温度を調整する。
・きゅうり、トマト等で「心止まり」状になったものは、摘心をして側枝の発生を促す。
・イチゴの花は0℃以下の温度に遭遇すると、奇形果の発生が多くなるため、夜温の低下に注意する。また、5℃以下の低温では果実の着色不良が発生しやすいため、暖房機の設定を8℃とやや高めに設定し加温する。
・育苗培土や育苗床、ハウス内栽培床などへ施用した有機質肥料や有機物は、地温が低いと分解が遅れ、その後の育苗や本ぽ栽培開始に伴う加温により分解が進み、移植後にガス障害を起こすことがあるため、あらかじめ、散水・加温し分解を促しておく。
・定植直後のカーネーションは低温に弱いため、活着するまでは加温や被覆資材(トンネル)を用いて地温確保に努める。
・加温設備を使用する施設では、事前の動作確認、燃料残量の確認及び補給に留意する。
被災した場合
(1)被害の状況がわかるように、ハウス全体、被害を受けた部分、内部の状況などの写真を撮影する。
(2)被害状況のわかる写真を撮影後、佐久市役所農政課へ被害報告をする。過去の補助事業により導入したハウスなどである場合は、その旨についても報告をする。
(3)撤去等をする場合は、写真等を撮影した後、佐久市役所農政課へ一報入れる。
長野県のホームページに、災害等に係る技術対策が掲載されています。