やぎ座

　正式名…Capricornus 略号…Cap 肉眼星数…65個　設定者…プトレマイオス
　見やすい時期…9月～11月

星占いでもおなじみのやぎ座ですが、この星座のやぎは下半身が魚になっているという不思議な格好をしています。これは牧神パンが変身に失敗した姿だといわれています。パンは森と羊と羊飼いの神で、半分は人間、半分はやぎという姿をしています。彼は森の洞窟に住み、妖精たちとたわむれながら気楽に暮らしていました。あるとき神々がナイル川のほとりで酒盛りを開きました。もちろんパンも出席して得意の葦の笛でみんなを楽しませていたのですが、そこへ突然、怪物テュフォンが襲いかかってきました。テュフォンは百の竜の頭を持ち、その一つ一つから火を吹くという、山よりも大きな恐ろしい怪物です。さすがの神々もたまらず、思い思いの姿に変身して散り散りに逃げ回りました。パンは魚に化けようとしたのですが、あわてて半分しか変身できず、星座のような格好で川に飛び込みました。パンのこの姿をみた他の神々はあとで大笑いし、これは傑作だというわけで記念に星座になったということです。

　球状星団M30…やぎ座のハート型の左のあたりにある球状星団です。球状星団としては地味な方ですが、双眼鏡でもふつうの星とはちがったぼーっとした輝きがわかります。大型の望遠鏡では一粒一粒の星が分かれて見え、球状星団らしい眺めになります。