おうちで社会科見学!!-蛇塚古墳-
更新日:2020年5月4日
文化財事務所では、ご自宅のパソコン等で佐久市にある文化財を見ていただくツールとして、「おうちで社会科見学!!」のページを開設しました。第5弾(最終回)は臼田にある「蛇塚古墳」です。どうぞお楽しみください!!
市史跡「蛇塚古墳」
蛇塚古墳は、佐久平総合技術高校臼田キャンパスの北側にある古墳(昔のお墓)です。古墳の形は円形で、円墳と呼ばれるものです。大きさは直径約10m、高さ約2.5mで、横穴式石室を持つ古墳です。
古墳の石室の種類には竪穴式石室と横穴式石室があります。竪穴式石室は古墳時代(今から1700年前~1300年前)の初め頃の古墳に見られ、基本的に1人のための古墳の石室のことを言います。また蛇塚古墳のような横穴式石室は古墳時代の終わりの頃に見られ、棺を置く玄室、その前の通路である羨道があり、1人のためだけでなく、後から何人も埋葬できる石室のことを言います。
蛇塚古墳の玄室の大きさは幅4m、長さ2.8m、高さ1mで、羨道の長さは1.9m、幅1.2mです。作られた時期は、古墳時代末から8世紀の奈良時代にかけての時期と想定されています。
近くからみた蛇塚古墳です
玄室手前の通路は羨道と言います
棺を置く玄室です
昭和61年(1986)にこの古墳を調査した時には、刀2本、鉄鏃(弓矢の先につける金属)、鉄鎌、人骨、土器が発見されました。
その中の刀2本は、蕨手刀と立鼓柄刀というものです。
佐久市有形文化財 蕨手刀
佐久市有形文化財 立鼓柄刀
蕨手刀は、古墳時代の終わり頃から奈良・平安時代にかけて使われた刀で、柄(手に持つ部分)が植物の蕨のような形のため、そのように呼ばれています。長さは68センチメートルです。
立鼓柄刀は、蕨手刀と同じ時期の刀で、柄の部分が楽器の鼓のように曲がっている形のため、そのように呼ばれています。長さは63センチメートルです。
一つの古墳から、両方の刀がセットで発見されたのは長野県内で初めてであり、両方の刀とも佐久市有形文化財に指定されています。
「蛇塚古墳」の「おうちで社会科見学!!」を楽しんでいただけましたか?
今回紹介した文化財は、地域のみなさんに大切にしてもらい、現在に伝わっています。この文化財を将来に残すために、みなさんも大切にしましょう!!
佐久市にはこれ以外にもたくさんの文化財がありますので、興味があったら調べてくださいね。
これで5回にわたる「おうちで社会科見学!!」は終了です!!
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