貞祥寺
更新日:2015年2月2日
大永元年(1521年)、この地を治めた前山城主の伴野貞祥公が、祖父と父の追善のために開山した曹洞宗の寺。
七堂伽藍を整え、信濃毎日新聞社刊「信州百寺」に選ばれた佐久を代表する古刹である。
七堂伽藍:金堂・塔・講堂・食堂・鐘楼・経蔵・僧坊・回廊・門など、必要な建物を備え、僧侶が集まり修行する清浄な場所を指し、大本山クラスの寺院の代名詞として使われる。
杉や欅の大木が立ち並ぶ参道は美しい苔の回廊ともなっており、真夏でもひんやりとした厳粛な空気に包まれている。
参道の石段を登って行くと、茅葺き屋根の「島崎藤村の旧宅」がひっそりと佇み、4月から11月の間はこの古き良き日本家屋を見学ができる。
途中にある総門は承応2年(1653年)建立したこの寺最古の建造物であり、続く茅葺の山門には増長天と持国天の仁王を左右に配し、山門の隣には鐘桜が配置される。
澄んだ水をたたえ、観音様が佇む古池の前には、僧侶が集団生活を行いながら修行をする僧堂が建立されており、定期的に坐禅会が開催される。
貞祥寺は、特にヨーロッパにおける禅普及において中心的な役割を担った寺のひとつであり、現在でも著名な禅道場として海外に知られるとともに、ヨーロッパから訪れる禅の愛好家が多い。
僧堂の奥にある三重塔は、明治三年廃仏毀釈で廃寺となった小海町松原湖畔の神光寺から移転したもので、紅葉スポットとしても知られ観光パンフレットや広告にしばしば登場する。
DATA
【場所】 | 佐久市前山1380-1(中込駅から車10分) |
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【お問い合わせ】 | 電話:0267-62-0325 |