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令和5年度 佐久市ふるさと創生人材育成事業 中学生海外研修(エストニア共和国)報告

更新日:2023年11月29日

令和5年度 中学生海外研修(エストニア共和国)報告 引率団長 依田誠

1 研修の概要

(1)目的

次世代を担う市内に在住する中学生が、佐久市と姉妹都市協定を締結しているエストニア共和国サク市を訪問し、同世代との交流、世界文化遺産のタリン旧市街を見聞、また、ホームステイを通して、歴史、・文化・生活習慣の違いを体感するとともに、意思疎通を図るコミュニケーション力を高めて国際的視野を広げることを目指す。

(2)日程

令和5年7月31日(月曜日)から令和5年8月7日(月曜日)までの8日間

(3)研修地

エストニア共和国

  • サク市(サク郡)、タルトゥ、ナイサール島、タリン

(4)参加者

研修生:市内中学生8名(1年生1名、2年生5名、3年生2名)
引率者:2名(佐久市職員)
添乗員:1名(日本旅行佐久平サービス)

2 事前研修

当研修は平成29年度から始まったが、令和元年度を最後にコロナ感染症の流行により中止となり、4年ぶりの実施となった。
4月下旬より研修生の応募を始めたが、コロナ感染症の先行きや、研修地の隣国での紛争などの不安材料もあり、「研修生が集まるか」、「安全に実施できるのか」などの不安を抱えながらのスタートであった。
応募に関しては、予想に反し、過去最多の応募があり、書類審査、抽選等を経て8名の研修生を5月下旬に決定し、6月6日から毎週火曜日の午後7時から9時までの全8回の事前研修を行った。
研修では、学校も学年も異なる中、自己紹介から、英語での佐久市の紹介、それぞれの場面でのあいさつなどの役割を決め、交流会のゲームや歌を披露しなければならないと考えると時間が足りないのではと感じることもあったが、研修は、ALTの先生や、日本・エストニア親善協会の皆様などの支援を受けながら研修を進めることができた。
壮行会では、緊張のなかでも、海外研修の参加動機や目的を市長、教育長、実行委員長、ご家族等の前で堂々と発表をし、海外研修へのモチベーションの高さを感じた。

3 第1日目 7月31日(月曜日)

実行委員会、ご家族が見守る中、出発式で励ましの言葉を胸に、新幹線に乗り込み、羽田空港に向かう。研修生は車内では、談笑する者、写真を撮る者もあり、不安は無さそうで引率者としては少々ホットする。
羽田空港に着くと、予め送っていた荷物を受け取り、いよいよ海外渡航の手続き、ユーロへの両替などを研修生自身が行う。保安検査も無事通過後出国手続きへ。出国手続きが電子化されており、昔のように出国印を押されることはないが、希望者は押してもらえると多くは押してもらっていた。
搭乗機はフィンランド航空で、食事、飲み物は英語でと思ったら、CAに日本人が搭乗しており、モニターも日本語表示ができるなど、さほど支障を感じられなかった。  
航路が北極圏廻りのため、12時間超えの搭乗となるが、映画を見たり、寝たりそれぞれ過ごしていた。

第2日目 8月1日(火曜日)

朝5時(現地時間)に経由地のヘルシンキ空港に到着。到着時は店も開いておらず閑散としていた。
フィンランドはムーミンの故郷であることから、店頭のディスプレイを見つけると写真を撮るなど長旅の疲れを感じさせない元気ぶりであった。
入国審査は無事通過。
エストニア国への乗継ぎの際、保安検査では手荷物の再検査が多くあったが無事に通過と思いきや、ちょっとした問題が発生。
保安検査場の警備員に、研修生の一人が質問されているところを発見。慌てて聞くと。どうも、保安検査場の写真があるのではとのことで、写真を確認したところ、検査場の写真があり、写真は消去し「sorry」と陳謝すると警備員からも「sorry」との返事、注意しなければいけない場面ではあるが、警備員の暖かい対応に感謝。
タリン行きの飛行機を待つ間、飲み物や食べ物を買う子もいた。
 9時半過ぎにはタリン空港に到着。出口では交流するエストニアの生徒たちが待っていたが、お互い初対面、何を話したらいいやら戸惑う場面も見られた。
すぐにバスに乗り、サク市郊外のキャンプ場へ向かう。途中、エストニアの先生から滞在中はお互いペアを作り、行動しましょうとの提案があり、以後、バスの席も隣同士となった。
キャンプ場に着くと早速サク市の生徒たちからは「佐久市、サク市」の名前が入ったスエットシャツのプレゼントもあり全員で着用した。自己紹介を兼ねたアイスブレイクを行い、昼食後、夕方まで休憩をとった。
夕方4時頃から、綿を使った人形作りや、サウナに挑戦、カードゲームをする研修生もいた。
全員がそろったところでそれぞれの国の紹介を行い、事前研修で練習した英語での発表を立派に行った。その後、白夜の外でゲームなどを行い夜遅くまで交流を深めることができた。

第3日目 8月2日(水曜日)

朝食は8時、出発は9時、今日はバスでタルトゥへ向かう。
バスの中が静かだと思い後ろを振り向くと、寝ている研修生もいて、長旅の疲れが出てきたかな?と感じた場面であった。
タルトゥでは、昔から物流に使われていた船(小さなバイキング船の様な)について見学する。見学センターでは現在、船を新造しており、実際に作っている船の中に入るなどした。
その後、観光遊覧している同型の船に乗船する。
アハサイエンスセンターで昼食を摂り、サイエンスショウを観覧し、それぞれの組でセンター内を見学。
センターは佐久市で言うと「こども未来館」の大型版の様な施設で様々な体験ができ子供から大人まで楽しめる施設であった。一部区域で臓器などの展示もあり、心配なことから事前説明をたが、研修生の中には見学する者もいて、聞いてみたところ、気にはしていないとの返事があり安心した。
アハサイエンスセンター見学後はタルトゥの市街地を各自ペアで見学した。 
全員集合後バスに乗り、途中夕食を摂りながら、キャンプ場を目指す。予定していたキャンプファイヤーは天候不順のため中止となった。

第4日目 8月3日(木曜日)

出発は8時45分、この日はナイッサール島へ向かう。
タリンの港から小型船で船酔いする子も無く島に向かう。島では軍用車を模したようなトラックの荷台で未舗装路を進む
この島は、ロシア帝国、ソビエト連邦時代は要衝として、鉄路が敷設され、砲台等が作られていて、現在はその一部が遺構として保存され、イベントの会場などに利用されていることをガイドから興味深く聞いていた。
島の先端にある灯台を登るが長い階段に私は疲れたが、研修生全員元気よく登り360°の景色を楽しんでいた。
その後の昼食はおかわりをするものや、会話が弾み、研修生の元気ぶりが見えて、ホットする場面であった。
夕方、サク市に戻り、市庁舎の近くで、ホストファミリーと初対面する。私としては、ホストファミリー宅で、上手く過ごせるか少し心配であったが、いずれのホストも優しく迎えていただき。研修生はそれぞれのホストファミリー宅へ向かった。

第5日目 8月4日(金曜日)

10時30分、サク市庁舎近くに研修生が集合すると。マルティ市長と庁舎前で偶然出会う。市長の案内で会議室でサク市の説明を聞く。
庁舎は3年前に古い農機具置場をリノベーションしたとのことであるが、近代的な建物であり、環境に配慮した施設であるとの説明があった。
佐久市からは、ブロンソン氏の「北斗の拳」英語版6冊と、日本語の「昔話」を贈呈した。
その後、庁舎を見学、庁舎には57人の職員が働いているとのことだが、金曜日で、半数は自宅でのリモート勤務であるとのこと。
市長室はガラス張で、廊下からも見える構造となっており、机も立って仕事ができるよう上下に動くことも説明され、中には市長に促され、座る研修生もいた。
その後、タリンにある在エストニア日本国大使館へ表敬訪問する。
大使館入り口のセキュリティ室を通過するときは賑やかだった研修生も緊張するのか口数が少なくなっていた。
松村大使から研修生に質問があり、皆緊張しながら答えていた。大使からはエストニアは車の自動運転先進国であることの話もあり、興味深い体験であった。
サク市内で昼食後、学校、保育園の見学をする。
 クルトナ学校でホストファミリーも交え夕食会に出席。研修生は、事前研修で練習した3曲を歌い、大きな拍手をいただいた。その後、研修生はホストファミリーの自宅に戻っていった。

第6日目 8月5日(土曜日)

9時に全員集合し、ホストのご両親とお別れする。研修生に聞くと、ケーキ作りなど志向を凝らした内容で、中には、早く目が覚めてしまい、ドライブに連れて行ってもらったとのことであり、初めての経験で緊張の中にも、充実した体験ができたのではないかと感じた。ホストファミリーの皆様には感謝です。
午前中はタリン市郊外のテレビタワーと旧市街地の見学「お化けツアー」と題し、ガイドから案内をしてもらえるが、質問となると「なぜ」「どうして」の質問攻めで、ガイドも熱心に答えていただいたが、私から見ると、ガイドも大変だと思った。
 夕方、旧市街地の展望で初日から一緒に過ごした、エストニア国サク市の子供たちともお別れ、多くの生徒が秋には佐久市に訪問されると聞いている。
タリン市内で夕食に出かけるが、市内は土曜日の夕方で大勢の人出があり、都内の混雑時と思わせる光景であり、バルで陽気に飲食する人や、公園で酔っている人などいて、引率者としては、心配した場面であったが、研修生は興味深く見学をしたと思います。

第7日目 8月6日(日曜日)

いよいよ、エストニア共和国滞在最終日である。
午前中は、旧市街地を散策しながら、これまでお土産を購入する時間が取れなかったことから買い物の時間とした。
途中、聖オラフ教会の塔に登り、タリン市街地を一望した。
 午後、荷物をまとめ、ホテルを出発、みんなの荷物がお土産と思い出で来た時より多く、重そうであり、空港で再荷造りや計測など忙しかったが、研修生は談笑しながら行っていた。
タリン空港で荷物を預け。保安検査場も慣れてきたせいか、再検査になるものも少く、午後3時15分経由地のヘルシンキ空港に向かう。
ヘルシンキ空港で出国手続きなどを済ませ、午後6時30分一路日本に向けて出発。12時間以上の乗車となるが、研修生はゲームをする者、テレビを見る者、寝てしまう者様々であった。

第8日目最終日 8月7日(月曜日)

午後1時過ぎ、ほぼ予定どおりに羽田空港に到着、入国審査、スーツケースの受取、税関申告などを行い、無事空港出口へ到着。
スーツケースなどを自宅に送る手続きをしたあと、余ったユーロを円に換金。
行きと逆の行程で午後6時18分に佐久平駅に到着。改札口の外には教育長、実行委員、ご家族など多くの出迎えがあり、研修生も一瞬びっくりしたとともに、安堵したことと思います。
引率団長として、研修生の笑顔を見て、全員が無事に本研修を終了したことは、大役を終えた安堵感がありました。

4 最後に

ヨーロッパのエストニア共和国に行く、それだけでも大きな価値と創造があります。研修生にとっては、この海外研修を通じ自分の住む佐久市、自分の住む環境を海外から見ることができる絶好の機会であったと思います。8日間の研修の中で、五感で感じた異国の文化の体験と、自分なりに上手にできたこと、思うようにできなかったことを糧に将来の進路に活かしてくれることを切に希望します。
最後に、私自身も、この海外研修に参加させていただき、研修生と共に貴重な体験と多くの出会いの機会を頂きました。研修が無事終えられたのも、本事業に係るすべての皆様の心遣いと支援のおかげと思っております。改めて感謝を申し上げ、研修報告といたします。ありがとうございました。

キャンプ場でエストニアのみんなと一緒に

お問い合わせ

社会教育部 生涯学習課
電話:0267-62-0671(生涯学習係・青少年係)0267-66-0551(公民館係)
ファックス:0267-64-6132(生涯学習係・青少年係)0267-66-0553(公民館係)

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