いるか座

正式名…Delphinus　略号…Del　肉眼星数…25個　設定者…プトレマイオス　見やすい時期…8月～11月

「夏の大三角」から少し東に外れたところにある小さな星座、いるか座。このいるかは、ギリシア神話では詩人で音楽家のアリオンを救ったいるかだといわれています。アリオンはシチリア島で開かれたギリシアじゅうの音楽家が集まるコンクールでみごと優勝し、莫大な賞金を手にしました。彼は帰国するため船に乗りましたが、この話を知っていた船長や水夫たちに囲まれて賞金を奪われたうえ、海に飛び込めと剣でおどされます。死を覚悟したアリオンは、船べりで琴をかき鳴らし、最後の歌を歌いました。彼はそれから海に飛び込みましたが、海面にはその美しい歌に惹かれて多くのいるかが集まっていました。そのうちの一頭が身を投げたアリオンを静かに受け止め、そのまま背中に乗せて他のいるかとともに元の国まで運んでくれました。そんなことを知らない船長と水夫は国に帰った後、国王にアリオンは事故で死んだとでたらめな報告をしましたが、王のもとにはすでにアリオンが戻っていました。嘘がばれた船長と水夫たちはすぐに捕らえられ、賞金も無事にアリオンの元へ戻ってきたということです。

「夏の大三角」を作る1等星の2つ、わし座のアルタイル(彦星)とはくちょう座のデネブを結び、その間、ややアルタイルよりのところから大三角の外側を探すと3等星と4等星でできた小さなひし形がすぐに目につきます。これがいるかの体の部分で、近くの尻尾の星もすぐに見つかります。小さいながらも見つけやすく形もいい、かわいらしい感じのする星座です。

★いるか座γ星(γ　Del)　いるか座には目立った星雲・星団はありませんが、イルカの鼻先にあたるγ(ガンマ)星は青とオレンジの色違いの美しい二重星として人気があります。