平成23年佐久市議会第2回(5月)臨時会招集あいさつ
更新日:2015年2月2日
平成23年佐久市議会第2回臨時会(平成23年5月9日招集)
市長招集あいさつ
招集のごあいさつを申し上げます。
本日、平成23年佐久市議会第2回臨時会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集をいただき、定刻に議会が開会できましたことを厚く御礼申し上げます。
議案の総括説明を申し上げます前に、最近の主な市政の動きについて4点申し上げます。
はじめに、1点目といたしまして、友好都市であります「大船渡市への支援」について申し上げます。
3月11日に発生いたしました、マグニチュード9.0という国内史上最大規模の「東日本大震災」は、東北地方を中心に広い範囲での地震、津波により甚大な被害をもたらしました。
被災地域では、全国各地のみならず、全世界からの人的、物的支援が続く一方、様々な課題が表面化しております。また、福島第1原子力発電所関連では、今もなお予断を許さない状況が続いており、まさに現代の日本人がこれまでに経験したことのない、我が国最大級の国難に見舞われております。
被災された皆様に、改めて、心からお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になられた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
佐久市では、銀河連邦の友好都市であります岩手県大船渡市からの災害時応援協定に基づく支援要請を受け、3月14日から29日までの16日間に、医師8名、看護師8名、保健師12名、一般職員13名の合計41名を派遣するとともに、必要とされる食糧、飲料水、毛布、衛生用品、また、市民の皆様にご提供いただいたカセットコンロとカセットボンベなどの支援物資をトラック4台に分けてお送りし、支援を行ったところであります。
さらに、民間レベルでの支援のご提案も数多く寄せられておりまして、佐久商工会議所等からの雇用支援、佐久長聖高校の就学支援をはじめ、個別の企業からの車両の提供や情報伝達システムの無償提供など、佐久市を通じて大船渡市へ支援メニューの提示をさせていただいているところであり、岩村田商店街振興組合の炊き出し支援など既に行われたものもあります。
災害義援金につきましては、佐久市区長会との共同により、市民の皆様に大船渡市への義援金のご協力をお願いいたしました。また、この他にも、全ての議会議員の皆様、市民有志の皆様、企業団体の皆様から多額のご寄附をいただき、義援金の総額が4月28日現在では5,757万920円という大変大きな金額となりました。この場をお借りいたしまして、深く御礼を申し上げる次第であります。
この貴重な浄財を復興に向け1日でも早く役立てていただくため、4月29日、私自ら大船渡市にまいりまして、戸田公明大船渡市長さんに直接お会いし、佐久市民の熱い思いとともに、第1次分として義援金5,700万円をお届してまいりました。また、この際、仮設住宅用として要請のありました布団とシーツ約100セット及び市内企業より提供のありました飲料水500ケースを直接お渡ししてまいりました。
大変な状況にありながらも、丁寧に災害の状況や被災された方々の様子をお話いただく戸田市長さんのお姿に、同じ職に身を置くものとして、胸が締め付けられる思いでありました。
大船渡市での限られた滞在時間ではありましたが、佐久市の医療チームが関わった赤崎地区や蛸ノ浦地区の各避難所、綾里地区避難所を訪問いたしまして、避難されている方や常駐している担当職員から避難所の状況を直接お聞きすることができました。佐久市の医療チームが診療に当たっていた避難所におきましては、佐久市の行った支援を深く認識してくださっており、改めて感謝の意を表されました。
大船渡市の現状は、筆舌に尽くし難く、まさに言葉を失ってしまいました。残骸だけが広がる被災地は、そこにあったはずの街が奪われ、人も生活も消えてしまいました。2か月近く経過した中においても、なおその光景が広がっていました。
街や工場や住宅があった場所で残骸を撤去する姿はほとんどなく、暮らしの匂いも街の音も人々の影もありませんでした。
その惨劇の中、佐久市では、要請に基づく支援を基本方針に据え、これまで支援を続けてまいりました。
3月19日のことであります。佐久市から大船渡市への支援隊第3班が向かう日の前日です。それまで要請に基づく支援を佐久市の方針としておりましたが、「卓上カセットコンロを求められているのに対応ができない」という報告が入りました。いくつ揃えられたのかを尋ねると僅か8台という実情。明日の昼過ぎには出発しなくてはならないのに対応ができない、とのことでありました。そこで、防災行政無線で市民の皆様に呼び掛け、直接支援をお願いすることを指示いたしました。また、ツイッターでの反応やFM佐久平にもご協力をいただきました。
明くる日、その受付場所に行ってみますと、市民の皆様が次から次へとカセットコンロを持ってきてくれています。なんと合計896台のカセットコンロが寄せられたのです。佐久市民の皆様の支援の思いの深さを実感いたしました。この大船渡市への支援は、間違いなく佐久市民の皆様によって積み上げられたものであり、その思いを間違いなく大船渡市にお届けいたしましたことをこの場をお借りいたしましてご報告申し上げます。
復興に向けた取組みは長期化が予想されます。今後も引き続き、要請に応じた支援を行ってまいる所存でありますので、佐久市民の皆様のご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
2点目といたしまして「中部横断自動車道」について申し上げます。
中部横断自動車道の佐久小諸ジャンクションから佐久南インターチェンジ間8.5キロメートルが、3月26日午後3時に開通いたしました。
この区間は、無料で通行することができ、区間内には、佐久北インターチェンジ、佐久中佐都インターチェンジが設置されております。
開通後の交通量でありますが、小諸御影料金所では、日平均約3,200台、佐久中佐都インターチェンジから佐久南インターチェンジ間の千曲側橋梁では、日平均約6,100台とお聞きをしております。
この開通により、人やモノの流れが加速されることで、新たな交流人口が創出され、生活や産業、観光等あらゆる分野での可能性を一層高めるものと期待をいたしております。
佐久南インターチェンジから(仮称)八千穂インターチェンジ間の整備状況につきましては、国土交通省長野国道事務所から、「用地進捗率が約96パーセント、事業進捗率が約48パーセントで、順調に工事が進められている」とお聞きをしております。国の平成23年度当初予算では、昨年度の約55億円の配分に対し、東日本大震災による5パーセントの留保分を含めた中での53億円が配分されておりますが、その動向については、注視していく必要があると考えております。
基本計画区間であります(仮称)八千穂インターチェンジから(仮称)長坂ジャンクション間につきましては、ご案内のとおり、今後、ルート案を含めた対策案に関する2回目のアンケート調査が行われ、3回目の関東地方小委員会で対策案の評価が審議される予定とのことであります。
4月26日に国会議員の方々、国土交通省へ、開通のお礼に伺った際には、「中部横断自動車道は必要な道路である」ことが再確認することができ、また、関東地方整備局では、「東日本大震災の復興計画とは別に、計画段階における事業評価に関しては、粛々と進めていく」とのお話をお聞きしてまいりました。
現在、高速道路の整備に関しましては、「高速道路のあり方検討有識者委員会」での検討も始まっておりますので、関東地方小委員会での議論と併せ、審議内容などについて、注視しながら情報収集に努めてまいります。
3点目といたしまして「市民交流ひろば」について申し上げます。
「市民交流ひろば」につきましては、ご存知のとおり、佐久市総合文化会館建設のため既に借り入れた合併特例事業債を、中止に伴い他の合併特例事業に振り替えるための具体的な事業(案)であります。
市では、後利用方針案について、市民の皆様のご理解を得るため、「市民交流ひろば構想図案」を作成し、地元「長土呂区の役員会」での説明や市内7地区での市民説明会を開催いたしました。また、広報佐久2月号及び3月号に、「市民交流ひろば」に関する記事を掲載して周知を図り、さらに、市のホームページでも市民意見募集を行い、市民の皆様のご意見やご要望の把握に努めてきたところであります。
市民の皆様からの主なご意見等につきましては、広報佐久4月号に「Q&A」の形でお答えをさせていただくとともに、市のホームページには、いただいたご意見等の全てに対する市の回答を公表させていただいております。
市民の皆様からお寄せいただいたご意見等を拝見いたしますと、市の方針案に賛成というご意見、また、賛成の立場から「市民交流ひろば」の内容についてのご要望が多く寄せられました。一方、僅かではありますが、「市民交流ひろば以外の他の利用を図るべきではないか」、「住民投票を行うべき」というご意見等も寄せられております。
全体を通しましては、「市民交流ひろば」をもって後利用方針とすることに概ねご理解をいただけたものと考えております。
本臨時議会に議案として「市民交流ひろば」設計等の経費を含む補正予算を提出させていただいておりますが、その議決をいただいた後、5月中に合併特例事業に係る起債計画書等の提出(いわゆる合併特例事業債の起債申請)を行うこととしております。
既に、寄せられておりますご意見やご要望の一部を反映して「構想図案」の見直しを行いましたが、今後もさらに市民の皆様のご意見を伺いながら、平成25年度中の完成を目指して事業に着手してまいります。
4点目といたしまして「ゴールデンウィークにおける各イベントの状況」について申し上げます。
ゴールデンウィークにおける佐久の風物詩となりました「佐久バルーン フェスティバル2011」が、今年も5月3日から5日にかけて千曲川スポーツ交流広場において開催されました。
第19回目となる今大会は、東日本大震災及び県北部地震の被災地の一日も早い復興を願い、震災復興支援イベントとして、「子供たちに笑顔を」、「支援の気持ちを送る」をテーマに、また、「がんばろう日本」をサブテーマに開催をいたしました。
大会を通じ復興支援ブースを設置するとともに、義援金のコーナーが各所に設けられたほか、チャリティオークションなどのチャリティイベントが活発に行われ、大勢の皆様にご支援ご協力をいただきました。ありがとうございました。また、今大会には、友好都市であります岡崎市、由利本庄市及び神津島村から、市長さん、議長さん、副村長さんにご来場いただくともに、エストニア共和国サク市からは、議長さん、市長さんにもご来場いただき、友好の輪を広げる国際色豊かなイベントでもありました。
今大会は、東日本大震災や長野県北部地震による影響も考えられましたが、3日間とも好天にも恵まれ、全国各地から集まった熱気球30機による熱戦やバルーンイリュージョンに、県外からも大勢の皆様にお越しをいただき、28万6千人という多くの人々で賑わうことができました。また、5月4日に開催いたしました「佐久鯉マラソン」には、全国各地から1,039組、1,260人のご参加を、5月5日に開催いたしました「佐久鯉祭り」には、9万8千人のご来場をいただきました。
各イベントの開催に当たりまして、ご協力をいただきました関係の皆様に、この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
以上、最近の主な市政の動きについて、4点申し上げました。