「移動知事室での議論」「子育て世代への臨時特別給付金」その他(12月19日)
更新日:2022年4月22日
- アナウンサー
まずは長野県政と佐久地域とのつながりというテーマです。長野県知事である阿部守一県知事は、定期的に長野県内のさまざまな広域圏に出向いて移動知事室、つまり県庁を飛び出して地方振興局などに知事室を設けて地元の首長と意見交換をおこなっています。12月の14日、15日にはこの移動知事室が佐久圏域で行われました。
- 市長
11市町村長と知事との懇談がありました。今回のテーマは2つありまして、1つは浅間山噴火に関わる対策をしっかりやっていこうということ、もう1つは中部横断自動車道の利用促進が議論となりました。
- アナウンサー
まず浅間山の防災対策ですが、浅間山は1783年に天明の大噴火がありました。浅間山が噴火すると佐久市にも大きな被害の恐れがあるなかで、阿部知事と市長、佐久圏域の首長との間でどのような話し合いが持たれたのでしょうか。
- 市長
実際に浅間山噴火対策に関しては、いまも会議体はあります。長野県からは佐久市、小諸市、軽井沢町、御代田町の2市2町が参加し、そこに群馬県の長野原町と嬬恋村、長野県当局と群馬県当局、国も入っています。実際に対策をしていこうということで、その会議体自体も議論しており、ハザードマップが出たりしています。知事からは、しっかり対策は打っていかなければいけないが、県をまたぐことですし、浅間山の噴火は首都である東京に影響を与える火山と言われています。つまり大きな噴火になった場合、成田空港や羽田空港にも影響を与えるため、国がもう少し前に出て火山対応を行うおこなうべきではないか、ということを知事の考えとして示されていました。噴火は予兆があるということが前提になるので、そのときから対応していかなければなりません。大きな噴火が予測される場合には、交通規制や避難をすることもあるということです。そうなった場合に、どの地域の人がどこへ避難するのか、といったものを富士山は作られていますので、浅間山でもやっていった方がいいのではないか、という議論が高まっています。佐久広域連合では、まず2市2町は噴火に関する情報を一定程度持っているのですが、例えば南佐久の皆さまはお持ちではないので、事務レベルの勉強を始めるということです。各市町村の担当者で集まって、佐久広域連合としての部会を作っていこうという報告がされました。
- アナウンサー
もう1つが、中部横断自動車道の利用促進についてです。中部横断自動車道といえば、観光、経済、物流へのさまざまな効果が期待されるなかで、こちらの利用促進は力を入れている政策課題の1つだと思いますが。
- 市長
山梨~静岡ルートに関しては、今年の夏に全線開通いたしました。今までルート日本海太平洋というシンポジウムをやっており、上越市、佐久市、北杜市、南アルプス市、静岡市の5市が中心となり、近隣の皆さんも参加してやっています。シンポジウムに関して、今までは建設促進だったのですが、利用促進を県にもお願いしていたのです。すると知事のほうで、県産品購入や観光交流を促進していこうと呼びかけてくださいました。これは中部横断自動車道を使った利用促進になりますので、長野、新潟、山梨、静岡の4県でさまざまな交流をしていきましょうということで、阿部知事が呼びかけをしてくださいました。佐久市でもしっかりやっていきますが、県レベルでやってくださるのはとても大きなことです。
行政的な話になりますが、例えば建設促進というものは建設部でやっており、観光や物流などの利用促進というのは、どちらかというと経済部になります。職員の掟として部長が部長に指示を出すというのは、対等な関係のためできないのです。建設部長が経済部長に「こうしてください」ということはなかなか難しく、利用促進を建設促進と並べるためには知事が指示を出さないとできないので、ぜひお願いしますとお伝えして今回のような行動に出てくださいました。大変ありがたいことです。私も先日12月16日に上越市に行って、新しい市長さんにお会いしてまいりました。ぜひ上越市もこの運動を継続してやってくださいというお願いをして、そして「やりましょう」と、よい返事をいただき、また一緒に組んでやっていこうということになりました。
- アナウンサー
現在は中部横断自動車道、八千穂高原ICまでとなっておりますが、その先およそ40km区間の長岡JCTまでの1日も早い開通実現を望んでおります。
- 市長
来年のルート日本海太平洋シンポジウムは佐久市が会場になりますので、利用促進が十分に認識され、行動に移っているようなシンポジウムにしていきたいと思っています。
- アナウンサー
続いて新型コロナウイルスの話題になりますが、12月17日には3か月ぶりとなる陽性患者の発表もありました。現在の情勢について、市長はどのようにご覧になりますか。
- 市長
12月に入って軽井沢の方で何人か出てきていたり、あるいは御代田で1、2人出ていたり、そして3か月ぶりに佐久市で出ました。ワクチン効果は確かにあると思うのですが、接種から時間が経つと抗体が下がってくると言われていますので、警戒をしていく時期に入ってきたのだと思います。3回目の接種についてもしっかり対応を取り、接種を望まれる市民の皆さんに打っていく体制を作っていかなければならないと思います。
- アナウンサー
今、国内でも医療従事者の方から3回目のブースター接種が始まっていますが、佐久市としては現段階でどの程度決まっているのでしょうか。
- 市長
今月から医療従事者の接種がスタートしています。次に高齢者、基礎疾患のある方という形で進んでいきます。県とすれば、ゴールデンウィークまでに高齢者、基礎疾患のある方は打ち終わりたいという考えで進んでいます。今回、集団接種会場は県立武道館で、2月は3日間、3月は4日間という日数だけ決まっております。
そして個別接種に関しては、浅間総合病院、佐久病院本院、金澤病院、雨宮病院、くろさわ病院、川西日赤の6病院で行っていきます。ワクチンのメーカーについてはまだ最終決定をしておりませんが、2月から3月にかけて、モデルナが1700万回分、ファイザー2000万回分来ると発表されています。前回よりもモデルナの割合がかなり高い状況です。
- アナウンサー
ワクチン接種については、情勢や国のさまざまな考えによって変わることもありますので、最新情報を随時お伝えしていきます。
- 市長
市民の皆さんに注目していただくことは、これまで2回目の接種から8か月後から10か月後の間に打ってくださいと言っていましたが、これが6か月後でも一部いいという政府見解になってきています。しかし6か月後に打つのはどういう人か、どの地域かという発表はされていません。効果的に進めていくための一般論として、感染爆発しやすいので都会、大きい都市からやっていくという指摘をする人もいますし、重篤化しやすいとされている高齢者施設をやってはどうかとも言われています。全てが6か月になるというよりは、一部が対象になっていくのかもしれませんが、その線引きはまだ発表されていません。
- アナウンサー
新型コロナウイルスに関してもう1つ大きなニュースになっているのが、子育て世帯への臨時特別給付金です。10万円の現金か、5万円ずつ現金とクーポンかという選択肢があるなかで、佐久市の動向はどうなっていくのでしょうか。
- 市長
佐久市はすでに予算が可決しているものがございます。これは、もともと現金給付が決まっていた5万円です。その次にクーポンにするか、現金にするか、議論の的となりました5万円があります。こちらについて、佐久市としては現金給付をするという方針を発表しています。しかし給付については少しややこしいのですが、児童手当受給者には12月23日に給付する形になります。すでに口座はわかっていて自動的に振込になりますので、申請は必要ありません。そして残りの5万円については1月下旬に給付する形になっています。こちらは同じ日に定めたいと思っております。その他、16歳から18歳までの高校生のお子さんがいる世帯と、児童手当受給者が公務員の世帯の児童に対しては、1月下旬に振り込んでいきます。こちらは申請が必要です。1月に通知が発送されますので、届いた方は振込先の口座をお知らせください。
- アナウンサー
対象世帯には通知が行くということですので、皆さんお忘れのないよう申請をお願いいたします。他の自治体を見ていると現金10万円を一括で支給するところもあるなかで、佐久市はなぜこのような方針を選ばれたのでしょうか。
- 市長
年内に10万円を一括で支給することが望ましいことだとは思います。しかし収録している今日現在において、まだ国からの通知というのは来ていません。国からは、国会でこういう議論がされていて、政府はこのように答弁していますというQ&Aの暫定版が来ています。そのなかには一部政府の答弁で、960万円よりも収入が多い方々には給付しませんとなっています。しかし、市町村の裁量で所得制限を取り払うか決めてよいと言われています。ただし取り払う場合は、その財源は国が持つのではなく市で支払ってくださいと答弁しており、報道でもそのように出ています。しかしQ&Aには、このことが書いてありません。国は補正予算が通過したら正式な通知を出すと言っていますが、まだ予算が通過していませんし、正式な要綱も出されていない状況です。私自身は、最終決定までに何か変更がある可能性もありますので、職員ともコアメンバーともミーティングをして、正式な通知が来てから正確に事務手続きをすることにして、12月中におこなうことは不可能と判断いたしました。慌てず落ち着いて正確な事務をおこなって、1月下旬までには対象者全員にお配りできる状況を作ろうと考えています。
- アナウンサー
今年もさまざまな動きがあったなかでも「ゆうちゃんを救う会」、佐久市内に住む小学4年生の中澤維斗くんが重い心臓病を患っており、アメリカに渡っての心臓移植に2億7000万円が必要ということで、皆さまから日々あたたかい気持ちが寄せられています。
- 市長
ゆうちゃんを救う会の小林代表が中心となって輪を広げてくださっています。私も何か力になれればと思いで、各市町村への呼びかけなどもさせていただいています。非常に輪が広がってきていてありがたいことです。長野パルセイロや松本山雅、信濃グランセローズなどプロリーグの皆さんも応援してくださるということになりました。これは長野教育委員会とプロリーグの皆さんは包括連携協定を結んでいますので、そちらの決定としてやってくださっています。
- アナウンサー
募金箱もさまざまなところで目にします。まだ満額には達成していないとのことですが、番組をご覧の皆さんもどこかで目にした際には、ぜひあたたかいご支援をお願いしたいと思います。今日この放送のなかで市長が強く訴えたいこととして、人権侵害や差別を撤廃したいという思いと届けたいとのことでした。先日は小諸市の小泉市長と一緒に佐久市の法務局を訪れて、絶対に差別を許さないという両市長の思いを訴えていらっしゃいました。差別撤廃に関して、市長はどのようなお考えなのでしょうか。
- 市長
私たちが行動したのは、佐久市内に研究者と名乗る方がいて、同和地区はここです、同和地区はこういう家々があります、名字はこういう名字が多いです、ということを映像投稿サイトにあげて、それが今も見られる状況になっています。このことは、我々が積み重ねてきた部落完全開放ということと完全に逆行することです。このような映像の放送を差し止めてもらうべく、法務局権限でやってもらえるようお願いしました。小泉小諸市長とも意見が一致していますが、こういったことを放置することは行政として許されないだろうと考えています。放っておけばいいと考える人もいますが、正確に情報をお伝えして同和教育をしっかりやることは非常に重要です。今回の映像で佐久市内の同和地区を全国に知らせている行動に関して、許さないという強い意志を内外にお伝えして、関係団体の皆さんとも相談して法務局にお願いにいきました。
- アナウンサー
2021年も残りわずかとなりました。
あらためてこの番組をご覧の皆さまに、市長からメッセージをお願いいたします。
- 市長
新型コロナウイルスに翻弄された2年間でありました。多くの皆さんの生活が一変したと思います。しかしながら3回目のワクチン接種が医療従事者から始まっております。そして年明けには経口薬も発売されることになってきています。正常化をはかるための2022年であってほしいと思います。経済対策、子育て支援に国と一緒にしっかり取り組みながら、コロナと戦い抜く2022年にしていきたいと思います。そして来年には正常化した暮らしを取り戻すことを大きな目標に掲げて、前に進んでいきたいと思っております。佐久市民の皆さんにも情報提供をしていきますので、今しばらく一緒に戦っていきましょう。
- アナウンサー
年が明けた2022年、佐久市政にどのような展開が待っているか気になります。
- 市長
今年4月には選挙がありました。選挙があったなかにおいて、地域公共交通の大改革あるいは女性活躍の社会をつくる、市議会の女性登用率をV字回復して県下1位を目指す、そしてまた子育て支援センターをしっかり作っていくことをお約束しています。選挙というものはお願いをいたしますし、ともすれば情の選挙になりがちです。しかしながら選挙というのは、約束、契約でありますので、市民の皆さんとお約束したことをしっかり果たしていくことが私に与えられたミッションだと思っております。佐久市は非常に変化が激しい地域でありますが、暮らしやすさを研ぎ澄ませながら、住んでよかったという満足度を高めていくことに努力していきたいと思います。