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「台風19号災害、佐久市の現況と復旧・復興に向けた取り組みについて」(11月21日)

更新日:2020年10月19日

  • アナウンサー

 10月12日からの台風19号災害、佐久市の現況と今後の復旧・復興に向けた取り組みなど、皆さんにお伝えしていきたいと思います。
 台風災害から1か月以上が経過しましたが、改めて現在の受け止めからお願いします。

  • 市長

 これまでにない災害になったわけですが、24時間雨量で1年間の約45%の雨が降りました。群馬県境の方で強く降ったことによって、千曲川の支流、また流れ込んだ千曲川に対して、大きな影響が出て、決壊や越水するところがあり、大きな災害が発生しました。床上浸水あるいは全壊という方もいらっしゃいますので、仮の住まいとして市営住宅などを紹介したり、罹災証明を出したり、刻一刻とやることが変わってきています。現状においては、12月に査定がありますので、それに間に合わせるべく、銀河連邦や災害協定を結んでいる自治体、全国青年市長会から大勢の職員の皆さんが応援に来てくださっています。これからは、査定を行って、次なる工事着工、復旧に向けて、行政的には一番の根を詰めなければいけないところで、大変ハードな状況になっています。特に農業に関しては、1か月遅れることが、1シーズン棒に振ることにもなりますので、復旧に向けて尽力しているところです。

  • アナウンサー

 佐久市内でも2名の方の尊い命が奪われた今回の災害、住宅なども1,000件を超える被害が出ていると言われております。つらい思い、悲しい思いをされた方も多いと思います。今後、佐久市としては、災害対策から復旧・復興への道を歩むべきだと思いますが、そういった取り組みに関して具体的な動きも見えてきました。

  • 市長

 今回、災害対応をしていて、市民が市民を支える面が強かったと感じます。これは入沢地区が良い例ですが、区長さんが中心となって呼びかけをして、かなり早い段階から避難が始まっていたり、ご近所声を合わせて避難に向かわれたりしていました。野沢原区などに関しては、区の役員さん、消防団の皆さんが避難してくださいと呼びかけをしていく姿などもありました。また、10月14日午前9時にボランティアセンターが立ち上がりましたが、大変多くの皆様にお越しいただいて、各地区に入って作業をしてくださっている姿が印象として強くあります。
 もう1つは、国の災害を復旧していくんだという強い姿勢に関しては、大変ありがたく感じていますし、力強い印象を持っています。いろんな課題を持って国の機関に行くと、即座に災害の補助の方法を決めていく強い姿勢を感じました。

  • アナウンサー

 実際に市長も国の機関に足を運んで、自ら交渉し、様々な補助金・補助制度なども新しく佐久市についてきているわけですが、その中でも佐久地域に沿った新しい補助、特に田んぼの稲わらなどに関しても新たな補助金がついてきていると聞いています。

  • 市長

 志賀下宿で多くありましたが、稲刈りをする前の田んぼにコンバインで刈ったわらが越水等した水に乗せられて、泥や石と一緒に田んぼに入ってしまいます。そうすると、刈っていない稲と刈った後のわらが混在している状況に、水と石と泥が混ざってしまいますが、これに対する補助はありませんでした。農林水産省の事務次官にお会いできることになり、このことを相談したら、担当の方を呼んでくださってお伝えすることができました。他の地域からも同じ声が寄せられていて、コンバインではなく畜産で飼料作りを行う機械を使って、補助はどのくらいでやろうと思いますという形で、その場所で決まっていきました。そのことがきっかけとなって、全国にこの補助メニューが加わってきたということがありました。

  • アナウンサー

 これも書類上だけでは読み取れない、実際に足を運んだことによって得た補助金という考え方もできますね。

  • 市長

 実際に書類で出される補助メニューは、間違いがないように書いてある文章なので分かりづらいです。そういう中でご担当の方にお話しすると、分からないことがあれば聞いてきてくださいとのことなので非常にやりやすいです。

  • アナウンサー

 佐久地域でも農林業の被害に加えて、地域の河川の水位上昇にともなって橋が流れたり護岸が崩れたりいろんな影響も出ました。特に常和地区では、平成11年の豪雨災害に次いで、今回も大きな被害が出てしまいました。やはり現場の声としては、現状復帰よりも改良を望む声というのも非常に多いわけですが、このあたりの受け止めはいかがですか。

  • 市長

 (フリップを見ながら)今回、阿部知事も一緒に行って、常和地区の皆さんからかなりの叱責を受けました。平成11年8月の豪雨災害の時も常和は大きな被害が出ていて、そのような被害が起こらないように対策を取ったはずだったにも関わらず、その時よりも大きい災害が起きてしまった。地域住民の皆様からすると、あの時の災害対策はなんだったんだという思いをされるのも必然です。災害復旧というのは、現状復帰の原則があります。今まであった通りに川を戻して、護岸を直して、道路を直しますが、特に常和や入沢の場合、今まで通りに戻したのでは、また災害が起きるじゃないかという指摘もあるでしょうし、河川管理は県ですから、これを進めていく上で県が出された案が同じ直し方だとすれば、私も地方自治体の責任者として、「はい、そうですか。」というわけにはいきません。これではまた災害が起きてしまいます。ついては抜本的に川幅を変えていくことによって、常和、入沢に関しては川と道路が平行していますので道路幅はこれでいいのか、道路から橋を渡して家に入っていく構造でいいのか、道路をつけかえる必要はないか、護岸の固め方、堰堤の管理の仕方などを含めしっかりやっていただきたいと思います。

  • アナウンサー

 地方自治体のトップとして、しっかりと住民の声を吸い上げていただき、それを更なる上部機関に届けていただきたい。今回の災害によって、街がどんどん衰退してしまうのではないか、自分の地域の過疎化が進んでしまうのではないか、という住民の皆さんからの声もよく耳にします。

  • 市長

 大変心配されることですよね。これも一例を出すと、半壊以上のお宅に関しては、解体に関して国の補助を出すことになりましたが、その率が97.5%です。被災して半壊した家が空き家になってしまうことが非常に心配されましたが、97.5%補助が出るならば家を解体しようと考える方もいらっしゃると思います。結果的にはこれを市で行っていくことで、被災された方の負担はなくなります。この災害で衰退していってしまうことを逆手にとって、空き家対策まで踏み込めればいいと思います。そんなことも国と市の中で考えていることです。

  • アナウンサー

 今まで佐久市というのは、比較的自然災害の少ない、災害に強い街というイメージがあったわけですが、今後佐久市としてはどのように災害に強い街づくりをしていくのか、自治体としてどういう運営をしていくのか、大勢の市民の方が気になっていると思います。このあたりの市長の見解はいかがでしょうか。

  • 市長

 災害というのはなかなか避け難いものです。今回の災害の対応として240の各区に対して感じることは、一生懸命やってくださったということです。市民の皆さんが持つ災害に対応する力が強かったと思います。災害に強い街にするため、「さくの絆作戦」ということを今年の4月から行っていました。関係区に対しては、9月末までにすべて説明を終えていましたので、避難誘導をする時、迷いなくできたということをおっしゃってくださいました。
 ハザードマップというのは、浸水想定区域、100年に一度の雨が降った場合は、どのくらいの場所がどのくらい浸水をしますよと示したものですが、確認していますか?

  • アナウンサー

 自分の住んでいる地域は確認していますが、避難場所や避難経路までの確認というのはまだできていません。

  • 市長

 私の住んでいる野沢本町はどのくらいになっているか、私の家は50センチメートル浸水の可能性として出ていますが、そういったものを認識して、自分の暮らしている地域がどのくらい危険なのかを知ることが大事です。そのことを消防団と区長さんはじめ、区の役員さんに徹底的に情報提供していくことを今年の4月から9月まで行っており、これを「さくの絆作戦」と言います。これが比較的功を奏したと思いますが、より徹底していきたいと思います。災害に対して意識が高くなっている今こそ、もう一度災害マップを見ていただけるような工夫をしていきたいと思っています。加えて、自分の親戚や兄弟の家を結ぶルートの中で、どこを通れば安全なのかということを知っていくことも大事なことです。結果的に今回は、家で被災したのではなく、移動中に被災されて2人の尊い命が亡くなりました。移動中のリスクを知らなければいけないという示唆をいただいたような思いです。

  • アナウンサー

 今後佐久市としては、非常に利用が多く国内でも8千万人が使っていると言われているLINEを使って新たな防災への動きも進んできています。

  • 市長

 私も親しくさせていただいているLINEの出澤社長さんに、亡くなられた方の例をとって、こういうことがあったとLINEを送ったんです。今回のことは新聞報道でもありましたが、実際には中込からお子さんの家に避難しようとしていた途中で被災されました。警察が誘導しましたが、その先はまた建設事務所が通行止めにしてて、結果的には袋小路に誘導されてしまったという言い方もできなくはありません。ついては通行止めにする権限を持っている警察、県、市、消防などの皆さんが、どこで通行止めをしているのか、どこで土砂崩落があるのか、越水があるのか、堤防が壊れたのか、ということが分かるようなことがLINE技術でできないかと相談を申し上げたところ、そういう研究をしているAI防災協議会という会議体に佐久市も参加することとなりました。

  • アナウンサー

 LINEと佐久市が繋がり、今後更なる防災への転化を見せていくということですが、最新情報など随時お届けしていこうと思います。
 最近佐久市内のイベントも、中止や延期になってしまったり、これは致し方ない部分も大いにあると思います。停滞感や閉塞感というのもあるかと思いますが、今後佐久市としては、この空気をどのように変えて、更なる新たな一歩を歩んでいきたいとお考えでしょうか。

  • 市長

 災害対応に関しては、全力で市も行いますし、関係の皆様のご理解をいただいて行ってまいります。一方で、バルーンフェスティバルも開催が危ぶまれましたが、開催していくということで決定しました。その他の行事などもできる限り日常に戻していくことが大事です。それは催し物もそうですが、日々の皆様の暮らしの中での様々な懇親、懇談の機会なども、是非通常モードに戻していただくような形にしていただきたいと思います。また、私自身もそんなことを呼び掛けているところですし、前を向いてやっていきたいと思いますのでご協力をお願いいたします。

  • アナウンサー

 今こそ、行政そして我々市民一体となって、チーム佐久として一歩を生み出していく時期でもありますよね。最後に市長からお願いします。

  • 市長

 (フリップを見ながら)滑津川が決壊して、杉の木、石神地区の肥沃な田んぼだったところが河原のような形になってしまい、大変心が痛みます。来年の作付けになんとか間に合わせたいと思っていますが、大変に難題です。いくつも課題はありますが、私自身として今回の災害についてはスピードを重視してきました。行政の大変重要視している考え方に、公平性があります。ただ、公平性を維持していくためには一定の時間が必要で、スピード感が損なわれるケースもあります。しかしながら、災害においてはスピードを優先していく。公平性よりスピード感を優先させることで不公平になったことに関してのお叱りを受けた時は、その対応を全力でその場面からしていくということを心がけてきました。災害についてのお悩みや課題とするものがあった場合には、ぜひ市役所へお申し付けいただきたいと思います。私自身のTwitterでも結構でございます。どういう方法でも結構でございますのでお問い合わせをいただければ全力で取り組んでまいります。復旧、復興へ向けて佐久市民一丸となって進んでまいりたいと思いますのでご協力をいただきたいと切に願います。

お問い合わせ

企画部 広報広聴課
電話:0267-62-3075
ファックス:0267-63-3313

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