令和7年度 佐久市ふるさと創生人材育成事業 中学生海外研修(エストニア共和国)報告
更新日:2025年9月11日
令和7年度 中学生海外研修(エストニア共和国)報告 引率団長 小池誠
1 研修の概要
(1)目的
次世代を担う市内に在住する中学生が、佐久市と姉妹都市協定を締結しているエストニア共和国サク市を訪問し、同世代の子どもたちと交流や世界文化遺産のタリン旧市街の見聞、また、ホームステイを通しての歴史、文化、生活習慣などの違いを体感するとともに、意思疎通を図ることで、コミュニケーション力を高め国際的視野を広げることを目指す。
なお、本研修は、平成29年度から始まり、令和元年度に3回目を実施した後、新型コロナウイルス感染症の影響で、令和2年度から4年度までの3年間中止となった。その後、令和5年度に再開し、今年度の研修が6回目となる。
(2)日程
令和7年7月28日(月曜)から8月4日(月曜)までの8日間
(3)研修地
エストニア共和国
・サク市、タリン
(4)参加者
参加者:市内中学生8名(1年生1名、2年生3名、3年生4名)
引率者:2名(佐久市職員)
添乗員:1名(株式会社日本旅行佐久平サービス)
2 事前研修
エストニア共和国の隣国での紛争といった不安材料もある中、8名の募集に対し8名の応募があり、厳正な審査の結果全員がもれなく参加できることになった。
5月23日には、引率者の心構え等を事務局及び前年引率者から打合せという名の事前学習及び引継ぎを受け、責任の重さを感じてのスタートとなった。
研修参加者とは、第1回の事前研修会を6月3日(火曜)から毎週火曜日の午後7時から9時までの全8回に及ぶ研修を行った。
第1回目の研修では、保護者同伴により本研修の全体の説明会を行ったが、皆、初顔合わせということもあり、緊張感のある中でのスタートとなった。2回目の研修では、エストニアの中学生の皆さんとオンライン交流を行ったが、事前に聞くことなどを英語で話せるように準備をしてきた子どもたちを見て、我々の時代に比べたら遥かに高いレベルだと感じた。3回目以降は、リーダー、サブリーダー及び役割分担、交流会での歌やゲームなどを決めたり、グループ分けにより、研究テーマを決め事前研修を重ねた。
研修では、吉川友子先生による英会話学習や、日本・エストニア親善協会の花岡昭子先生や、櫻井あかね先生によるエストニア学習などの研修を重ね、本研修に向けた準備ができた。
壮行会では、市長、教育長、教育委員、実行委員、保護者の皆さんに出席いただき緊張の中、研修生たちの参加動機やグループ課題について発表をし、海外研修への意気込みが感じられた。
3 第1日目 7月28日(月曜日)
佐久平駅において、実行委員会、ご家族が見守る中、出発式で励ましのお言葉を胸に、新幹線に乗り込み、羽田空港に向かう。研修生より引率者の方が嫌な緊張感を感じていた。
羽田空港に着くと、予め送っていた荷物を受け取り、いよいよ海外渡航の手続き、ユーロへの両替など研修生自らが行う。保安検査も無事通過後出国手続きへ。
搭乗機は、フィンランド航空で、機内では日本人のCAが搭乗しており、言葉での不安は感じることなく過ごすことが出来た。
航路は、ロシア上空を通過することが出来なく、北極圏回りのため、12時間超のフライトとなったが、映画を見たり、睡眠をとったりそれぞれ飛行機の旅を楽しんでいた。
第2日目 7月29日(火曜日)
朝5時(現地時間:日本より6時間遅くなる)に経由地のヘルシンキ空港に到着。
入国審査や再度の保安検査等を行い、タリンへと向かった。
9時半過ぎにタリン空港に到着。ようやくエストニアの地に降り立つことが出来た。
出口では、交流するエストニアの中学生たちがエストニアの国旗を振って出迎えていただき、その国旗をプレゼントされ、歓迎ムードの中での対面となった。お互い初対面の中、普段からおとなしい研修生の皆さんは、何を話していいのやら戸惑う場面も見られた。
すぐにバスに乗り、昼食まで時間があったのでユースセンターに寄りゲームや、ビリヤードなどで交流し、周辺の教育施設や保育所などを散策した後、サク市郊外のキャンプ場へ向かう。エストニアの先生から滞在中はお互いペアを作り行動しましょうとの提案があり、以後バスの席も隣同士となった。
キャンプ場に着くと。自己紹介を兼ねたアイスブレイクを行い、昼食後、名前を覚えるゲームなどを行った。夕方4時頃から、シルクのスカーフ染めに挑戦し、記念に残る逸品が作成できた。夕食後も外が明るいので「だるまさんが転んだ」をやり始めたら終わりにするタイミングが分からなくなり長時間に渡り盛り上がった。その後、3箇所のコテージに分かれ、交流を深めながら休んだ。この日歩いた歩数は、1万5千歩に達していた。
第3日目 7月30日(水曜日)
朝食終了後、キャンプ場に近接する湖をボート(手漕き)で対岸まで渡り登山をし、再びボートを漕いで帰ってきたが、これが思いのほかハードで今研修中最も疲れたが、無事帰還することが出来た。(皆さん大変お疲れ様でした。)
昼食を済ませ、一休みしたら元気を取り戻し、ダーツや、バトミントン、鉄の玉を使ったボッチャのようなゲームを楽しんだ。
夕食後は、いよいよ準備をしてきたそれぞれの国の紹介を行い、事前研修で練習した英語での発表も立派に行った。その後、白夜の外でゲームなどを行い、夜遅くまで子どもたち16人が一つのコテージに集合し、交流を深めることが出来た。(日付けが超えていたので解散を促した。)
第4日目 7月31日(木曜日)
朝食後、バスにてタリンへ向かう。この日は、在エストニア日本国大使館へ表敬訪問する。
中村大使は不在で、丸尾参事官、池田一等書記官に対応いただきエストニアの中学生と佐久市の中学生全員が入室することが出来た。
大使館の地下が隧道になっており、そこが歴史博物館となっていて、タリンの歴史を感じることが出来た。
夕方、ユースセンターに向かい、そこで佐久市の生徒たちのために「SAKU」の名前が入ったパーカーのプレゼントがあり、早速着用する者もいた。ここでホストファミリーと初対面する。いずれのホストファミリーも優しく迎え入れていただき、研修生はそれぞれホストファミリー宅へ向かった。
我々引率者は、SAKU市長主催の晩餐会に招待され、より懇親を深めることが出来た。
第5日目 8月1日(金曜日)
新築したばかりのギムナジウム学校を見学させていただいた。
ケイト校長から、学校は9月から新学期が始まること。4年生から9年生までが通っていること。学費や食費は保護者負担がないこと、生徒の提案で学校にビリヤード台を設置したことなど様々な話を聞くことが出来た。
その後、SAKU市長表敬訪問を行う。マルテイ・レヘマー市長自らパワーポイントでSAKU市の状況を説明していただき、子どもたちには、お土産まで用意していただき、本当に快く歓迎していただいた。
昼食後、自然公園や、美術館を見学。
夕方、研修生は、2泊目となるホストファミリー宅へと向かった。
第6日目 8月2日(土曜日)
夕方クルトナ学校において、初日から一緒に過ごした、エストニア国サク市の子どもたちとのお別れの会を行い、別れを悲しんだ。
市長にも出席いただき、また、小学生低学年の皆さんによる民族衣装でのダンスや、楽器の生演奏による盛大なお別れ会を開いていだいたうえ、生徒及び引率者に対してもたくさんのお土産をいただき本当に感謝しかなかった。
ケセラセラを披露さていただきましたが、エストニアの皆さんの「きらきらぼし」には本当に感動した。
多くの生徒は秋には佐久市に訪問されるようなので、再会を約束してのお別れとなった。
その後タリン市内への移動途中に夕食を食べながらホームステイでの思い出話をしながら反省会を行い帰国するまでは、気を緩めないよう促した。
タリン市内のホテルでエストニア最後の夜を過ごした。
第7日目 8月3日(日曜日)
あっという間に、エストニア共和国滞在最終日である。
午前中はタリン旧市街地を散策しながら、これまでお土産を購入する時間が取れなかったことから買い物の時間とした。
エストニア最後の昼食を済ませ、タリン空港へと向かう。
タリン空港で荷物を預け、保安検査場も慣れてきたせいか検査も無事通過し、午後2時55分発経由地のヘルシンキ空港に向かう。
ヘルシンキ空港で出国手続きを済ませ、午後6時30分一路日本に向け出発。12時間以上の乗車となるが、研修生はゲームをする者、テレビを見る者、睡眠する者様々であった。
第8日目最終日 8月4日(月曜日)
午後1時過ぎ、ほぼ予定通りに羽田空港に到着、入国審査、スーツケースの受取、税関申告など行い、無事空港出口に到着。
スーツケースなどを自宅に送る手続きをした後、余ったユーロを円に換金。
行きと逆の行程で午後5時44分に佐久平駅に到着。改札口の外には、教育委員会の職員、実行委員、家族の皆さんなど多くの迎えがあり、研修生も一瞬びっくりしたとともに、安堵した様子だった。
引率者として、一つの目標が、「笑顔で佐久に帰ってくる」ことだったので、研修生の笑顔を確認できた時、ああ良かったと思うと同時に無事帰国できホッとした。
研修生の皆さんお疲れ様でした。
4 終わりに
この研修に参加した中学生の皆さん本当にお疲れ様でした。
事前研修からエストニア8日間の海外研修を経験し、また、研修の報告や事後研修を経て報告会まで参加者全員が団結して乗り切れたことは本当に素晴らしい経験だと思います。一生の思い出にもなり、今後の人生観も大きく変わったかと思います。これからの生活の中で、この経験を活かしてほしいと思います。
また、この研修に参加できたのは、保護者の皆様、学校の先生、教育委員会の皆さん、実行委員会の皆さん、研修の講師の皆さん等大変大勢の皆さんの協力があったから実現できたことを忘れないでください。
私自身もこの海外研修に参加させていただき、研修生の皆さんと共に貴重な体験と多くの出会いの場を頂きました。この研修が無事終えられたのは、同行した研修生の皆さん、小泉副団長、櫻井さんはもちろん、事務局の皆さんをはじめ、本事業に関わる全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後に一言「エストニアの皆さん、Aitah(ありがとうございました)」
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