平成18年度決算
更新日:2015年2月2日
一般会計決算状況
市の財政状況は、歳入では主要財源の市税が、定率減税の2分の1縮減による市民税の増がありましたが、固定資産税が評価替えの影響などにより減となり、全体として減となりました。
歳出は、前年度に引き続き、野沢中学校、望月小学校、浅間中学校建設を継続し、老人福祉拠点施設、中込複合型公共施設の建設に着手したほか、子育て支援、高齢者支援、産業振興、都市基盤整備などの各種事業の推進を図りました。
その結果、一般会計の歳入決算額は397億4,039万7,540円、歳出決算額は388億6,012万8,042円で、実質収支額は、7億8,995万1,564円となり、黒字決算で平成18年度を締めくくることができました。
歳入について
市税は、前年度に比較して、3.1%の減となりました。
税目別では、個人市民税は、定率減税の2分の1縮減に伴う増などによって、4.5%の増となりました。
法人市民税は、一部の業種において景気が回復基調にあるものの、全体としては、16.7%の減となりました。
固定資産税は、3年に1度の評価替えの年に当たるため、家屋の減および償却資産の減により5.7%の減となりました。
都市計画税は、固定資産税と同様に、評価替えによる減はありますが、臼田地区の都市計画区域への新規課税によって、8.6%の増となりました。
市税総額は、115億3,653万8,396円となりました。
地方交付税は、7.2%の減となりました。
このうち、普通交付税は、基準財政収入額が7.6%の増となったことから、7.2%の減となりました。
また、特別交付税は、包括合併支援分などの交付分の減少などにより、7.7%の減となりました。
国庫支出金は、障害者自立支援法の施行に伴う負担金の減および平成16年度からの未収金の減があったものの、合併市町村に交付される合併市町村補助金の大幅な前倒し交付があったことなどにより、5.7%の伸びとなりました。
繰入金は、減債基金繰入金、浅間総合病院施設整備基金繰入金、総合都市交通施設整備基金繰入金、小中学校施設整備基金繰入金などの増により、1,336.3%の大幅な増となりました。
市債は、辺地対策事業債および過疎対策事業債が増となったものの、小中学校の建設に伴う学校教育施設等整備事業債、臨時財政対策債および減税補てん債などが減となったことなどにより、7.3%の減となりました。
歳出について
予算編成の基本方針にそって、健全な財政運営に努めました。
教育対策では、施設整備として野沢中学校建設事業、望月小学校建設事業および浅間中学校建設事業を継続して実施しました。
また、子育て支援では、田口児童館を建設し、あさしな保育所の開所、病後児保育・病児保育の開始など109メニューを実施し、高齢者支援では、老人福祉拠点施設整備(シルバーランドきしの)に着手し、また、外出支援サービスなど92メニューを実施し、さらに、中込パラスいちかわビル跡地に、公営住宅を含む複合型公共施設の整備に着手するなど、子育て世代や高齢者およびその介護家族の支
援をしました。
産業振興では、太陽光発電メガソーラー補助金の交付、野沢商店会公衆トイレ設置および産業振興センター開設などの地域振興策を実施しました。
観光振興では、観光案内標識設置などの施設整備のほか、バルーンフェスティバル、小満祭、どんどん祭り、榊祭りなどのイベント開催により、地域の活性化を図るための施策を講じました。
都市基盤整備では、昆虫体験学習施設を含む平尾山公園整備事業を実施し、また、中部横断自動車道関連事業を推進するとともに、東西幹線の設計に着手したほか、まちづくり交付金事業などにより、交通網や公園などの整備を行いました。
このほか、後年度の財政の健全化に資するため、市債の繰上償還を実施しました。また、基金については、将来見込まれる財政需要に備え、財政調整基金、減債基金および小中学校施設整備基金などの積み立てを行いました。
特別会計決算状況
国保浅間総合病院事業特別会計、望月水道事業特別会計および公共下水道事業特別会計を除く、国民健康保険特別会計など16会計の歳入決算額は、264億3,151万6,576円、歳出決算額は、262億4,604万4,723円で、形式収支から繰越明許のため翌年度へ繰り越すべき財源を控除した実質収支額は、16特別会計の合計で1億8,374万9,353円の黒字となりました。
望月水道事業特別会計については、平成18年度をもって特別会計が廃止され、佐久水道企業団に加入しています。
会計名 | 歳入決算額(円) | 歳出決算額(円) | 実質収支額(円) | ||
---|---|---|---|---|---|
特別会計 | 国民健康保険会計 | 事業勘定 | 7,872,256,189 | 7,640,753,842 | 231,502,347 |
へき地内山診療所勘定 | 1,416,693 | 1,383,020 | 33,673 | ||
浅科診療所勘定 | 84,210,114 | 71,506,123 | 12,703,991 | ||
介護保険会計 | 6,518,642,359 | 6,508,083,393 | 8,836,466 | ||
臼田啓明園会計 | 161,414,803 | 161,273,107 | 141,696 | ||
臼田学園会計 | 102,869,999 | 102,868,817 | 1,182 | ||
特別養護老人ホーム複合型施設会計 | 443,115,863 | 440,873,795 | 2,242,068 | ||
老人保健医療会計 | 8,975,635,260 | 9,071,194,372 | △95,559,112 | ||
住宅新築資金等貸付事業会計 | 102,676,242 | 99,197,984 | 3,478,258 | ||
介護老人保健施設会計 | 229,125,719 | 226,236,661 | 2,889,058 | ||
臼田保養センター会計 | 814,191 | 814,191 | 0 | ||
特定環境保全公共下水道事業会計 | 740,357,160 | 735,252,821 | 5,104,339 | ||
農業集落排水事業会計 | 332,485,707 | 321,654,688 | 10,831,019 | ||
生活排水処理事業会計 | 117,239,129 | 116,355,059 | 884,070 | ||
奨学資金会計 | 22,827,471 | 22,252,739 | 574,732 | ||
茂田井財産区会計 | 1,567,162 | 1,563,129 | 4,033 | ||
情報通信設備事業会計 | 447,448,515 | 447,386,149 | 62,366 | ||
老人福祉拠点施設会計 | 277,414,000 | 277,394,833 | 19,167 | ||
国保浅間総合病院事業会計 | 収益的収支 | 4,946,720,199 | 5,343,968,837 | △397,248,638 | |
資本的支出 | 3,025,178,000 | 3,233,454,052 | △208,276,052 | ||
望月水道事業会計 | 収益的収支 | 228,081,521 | 221,681,896 | 6,399,625 | |
資本的支出 | 26,502,760 | 46,894,666 | △20,391,906 | ||
公共下水道事業会計 | 収益的収支 | 1,917,007,107 | 1,831,134,708 | 85,872,399 | |
資本的支出 | 2,233,503,080 | 2,714,392,255 | △480,889,175 | ||
合計 | 38,808,509,243 | 39,637,571,137 | △830,784,394 |
※介護保険事会計の歳入歳出差引が実質収支額と合わないのは、繰越明許費により、歳入のうち1,722,500円が翌年度に繰り越されていることによる。
財政の指標
市町村の財政状況を客観的に判断する基準として、いくつかの指標があります。これは、普通会計の範囲(公営企業的な特別会計を除いた一般的な会計)で、全国統一基準による財政状況を測る目安です。
経常収支比率
経常収支比率は、人件費・扶助費・公債費などの義務的性格を持つ経常経費に充当した一般財源が経常一般財源総額に占める割合を示したもので、地方公共団体の財政構造の弾力性を判断するための指標として用いられます。この数値が低いほど臨時の財政需要に対して余裕を持つこととなり、財政構造に弾力性があることとなります。平成18年度は80.1%で、長野県下19市中で、一番低い数値です。
公債費比率
公債費比率は、市の借入金の返済、いわゆる公債費が、一般財源の総額に占める割合です。公債費は、将来に渡って払う義務を生じますので、この指標は低い方が健全となります。平成18年度は11.8%で、長野県下19市中で、低い方から2番目となっています。
起債制限比率
起債制限比率は、公債費の額から、普通交付税として交付される分を除いて、純粋に市が負担する公債費の割合を示した指標です。この数値も低い方が良いわけですが、平成18年度は6.5%で、長野県下19市の中で低い方から2番目となっています。
実質公債費比率
実質公債費比率は、平成18年度から地方債許可制度が協議制に移行したことに伴い、新たに導入された指標です。この数値も低い方が良いわけですが、平成18年度は11.9%で、長野県下19市の中で低い方から3番目となっています。
市債残高
市債は、市が国や銀行等から借り入れる借金です。市では、事業を行う際の資金調達のため、また、耐用年数の長い施設を造るときに、将来の市民の皆さんにもその一部を負担していただくため、借り入れをしています。
平成18年度末の市債現在高は、381億7,742万5千円で、市民一人当たりの市債残高は、38万2,482円となり、長野県下19市の中で低い方から4番目となっています。
基金現在高
基金は、家計に例えれば、預貯金に当たります。市では、景気の変動があっても安定的に財政運営をするため、また、学校建設など将来予定している大型事業に備えるため、基金を積み立てています。
平成18年度末の基金現在高は、203億7,921万9千円で、市民一人当たりの基金現在高は、20万4,170円となり、長野県下19市の中で一番多い額です。