脳脊髄液減少症について
更新日:2022年8月29日
「脳脊髄液減少症」という病名を、テレビや新聞等で目にすることがあります。本疾患の概念は以前からありましたが、最近になり「頚椎捻挫」(いわゆる「むち打ち症」)との関連が注目されるようになりました。本疾患の原因や病態には不明な点も多く、国では研究班を設置し、診断基準の確立と有効な治療法の研究が行われていますが、様々な症状に悩まされている患者さんは少なくありません。
ここでは、現時点で考えられている原因や症状などをご紹介しますので、心当たりのある方は下記のリンクを参考にしていただき、医師へご相談ください。
脳脊髄液減少症とは?
図1
人間の脳と脊髄は、硬膜という膜の下にあります。硬膜と脳や脊髄の間には、透明な髄液があり、脳を守ったり脳に必要な栄養を運んだりする役割があります。(図1)
図2
「脳脊髄液減少症」とは、この硬膜に穴が開き、髄液が漏れ続けることにより、様々な症状を呈する病気です。(図2)
原因と主な症状
原因
交通事故やスポーツ外傷など、頭部や全身への衝撃によるものだけでなく、明らかな原因が分からない例もあります。
● 発症の引き金となった事故: 交通事故、転倒、尻もち、頭部打撲、背部・頸部打撲など
● けが以外の原因: 脱水を起こすような発熱、大汗をかいた際の水分摂取不足、検査、手術時の腰椎注射、出産など
主な症状
起立性頭痛
起き上がると髄液が減少して脳が下に引っ張られ、激しい頭痛を生じますが、“ 横になると軽減する ” という特徴があります。
その他
めまい、吐き気、ふらつき、頸部~腰の痛み、耳鳴り、視力低下、手足のしびれ、脱力、全身のだるさ、思考力・注意力低下など。 天候の影響を受けて症状が悪化するケースも多くみられています。
治療方法
初めに行う治療法は?
起立性頭痛など脳脊髄液減少症を疑う症状が続いたら、水分を多めにとり、横になって過ごすことが症状改善に有効です(安静+水分補給 で漏れの部分がふさがることが期待でき、特に子どもには効果が大きいといわれています)。
早期発見、早期治療が重症化を防ぎます。
具体的な治療法は?
治療法の一つとして、ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)があります。これは、硬膜の穴が開いている部分に患者自身の血液を入れ、その血液で穴を塞ぐ方法です。1回の治療であまり効果が見られない場合は、複数回行うこともあります。治療に関しては、医師とよくご相談ください。
なお、ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が平成28年4月から保険適用になりました。詳細については、下記のリンクをご参照ください。
医療機関
主に脳神経外科、脳神経内科が診断・治療しています。各県が公式サイトで病院情報を公表、または、相談窓口を設けています。
※ 小児は画像診断が難しいことなどから、症例数の多い専門医への受診をおすすめしています。
長野県内での脳脊髄液減少症の診療が可能な医療機関について(長野県公式ホームページより)(外部サイト)
関連情報
認定NPO法人 脳脊髄液減少症患者・家族支援協会(外部サイト)
脳脊髄液減少症患者支援の会「子ども支援チーム」(外部サイト)
CSF JAPAN 脳脊髄液減少症ホームページ(外部サイト)
担当係:健康増進係
お問い合わせ
市民健康部 健康づくり推進課
電話:0267-62-3196(健診推進係)、0267-62-3527(保健予防係)、0267-62-3189(健康増進係)、0267-63-3781(口腔歯科保健係) 、0267-62-3524(保健医療政策係)
ファックス:0267-64-1157