こいぬ座

正式名…Canis Minor　略号…CMi　肉眼星数…122個　設定者…プトレマイオス　見やすい時期…1月～5月　

「冬の大三角」の一角を担う一等星、プロキオンがあるのがこいぬ座。ギリシア神話ではいくつかの別なお話が伝えられていますが、その一つにこんなお話があります。酒の神ディオニソスはアテネ国を訪れたとき、彼を歓迎してくれた国王怒りオスにお礼としてぶどう酒の作り方を教えました。王はさっそくぶどう酒を作り、国内の農民たちにもお酒をふるまいました。しかし初めて酒を飲んだ農民たちはみんな酔っぱらってしまい、きっと毒を飲まされたのだと勘違いしてイカリオスを打ち殺してしまいました。イカリオスの愛犬メーラは主人が埋められた場所を探しだすと悲しげな声で泣き叫び、王女エーリゴネに知らせました。父の死を知った王女は悲しみのあまりその場で首をくくって死んでしまい、忠犬メーラもそこを去らずにそのまま死んでしまいました。このことを知って起こったディオニソスは、イカリオスをうしかい座、メーラをこいぬ座にして天に上げると、アテネ国に呪いをかけ、若い娘が次々と王女と同じように首をくくって死んでしまうようにしました。困ったアテネの人々は神殿で神のお告げを聞き、真相を知ってイカリオスを殺した人たちを罰し、祭りを行なってエーリゴネの霊をなぐさめたということです。