更新日:2025年1月30日
リトグラフを中心に、平版での表現の可能性を探り、様々な作品を制作している長野県小諸市出身の版画家・田村文雄(1941~)。「余白はエロス」をテーマに制作される作品群は、日本独特の余白や間に特徴があります。
田村は東京藝術大学および同大学院に学び、修了した後は昭和45年(1970)にフィレンツェ国際版画ビエンナーレ展で大賞を受賞、昭和47年(1972)に東京国際版画ビエンナーレ展に出品するなど国内外の展覧会で活躍を続けています。さらに、昭和50年(1975)には女子美術大学専任講師に就任し、のち教授となるなど後進の育成にも努めました。
田村は、人間社会の虚実、矛盾、自己の内面と社会との繋がりを非日常的な物語性を持つ作品として描いています。本展覧会では、「現実を描写するのではなく、イメージによって現実を新たに見出す」という精神に基づいて生み出される作品の数々を紹介します。
当館のコレクションから、よく見ると不思議なところがある作品や不思議なテーマを表現した作品、抽象的な表現で構成されている作品を展示し、「ふしぎ」な美術の世界を紹介します。
作品を鑑賞するときに、いつもより少しだけ長く作品の前に立ち止まって、作品に散りばめられた不思議を探してみてください。新しい発見があるかもしれません。
開館40周年の節目の年を迎えた令和5年度、当館では新たに7作家・13点の作品を収蔵しました。洋画1点、書8点、彫刻3点、工芸1点というバラエティに富んだ作品群を、作家が作品に込めた想いとともに紹介します。
昭和16年(1941) 長野県小諸市に生まれる
昭和41年(1966) 東京藝術大学卒業
昭和43年(1968) 東京藝術大学大学院修了
昭和44年(1969) 日本版画協会展にて新人賞受賞・個展開催
昭和45年(1970) 第2回フィレンツェ国際版画ビエンナーレにて大賞受賞
昭和46年(1971) 第2回日動版画グランプリ展にて大賞受賞
昭和47年(1972) 第2回ソウル国際版画ビエンナーレ展出品・第3回フィレンツェ国際版画ビエンナーレ展特別展示・第8回東京国際版画ビエンナーレ展出品・個展開催
昭和48年(1973) 第10回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展出品
昭和49年(1974) 第2回ノルウェー国際版画ビエンナーレ展出品・第1回セゴヴィア国際版画ビエンナーレ展出品
昭和50年(1975) 女子美術大学専任講師(洋画専攻―版画担当)就任、のち教授に就任・第11回リュブリアナ国際版画展出品
昭和51年(1976) 第3回ノルウェー国際版画ビエンナーレ展出品
昭和55年(1980) 現代版画の─断面(東京都美術館)出品
平成5年(1993) 信州の現代版画─1(須坂版画美術館)出品
平成6年(1994) 果実の受胎─駒井哲郎と現代版画家群像(埼玉県立近代美術館)出品
平成10年(1998) 版画の技と美の世界展(相模原市民ギャラリー)出品
平成19年(2007) 退職教員記念展(女子美アートミュージアム)出品
2025年3月15日(土曜日)~5月6日(火曜日)
3月17日(月曜日)、21日(金曜日)、24日(月曜日)、31日(月曜日)
4月7日(月曜日)、14日(月曜日)、21日(月曜日)、30日(水曜日)
午前9時30分から午後5時まで
佐久市立近代美術館 油井一二記念館
※20名以上の団体は( )内の金額適用
申し込みが必要なイベントは、3月3日(月曜日)午前9時から佐久市LINEおよび電話(0267-67-1055)で申込受付を行います。先着順に受け付け、定員に達し次第、受け付けを終了します。
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毎週月曜日(休日の場合は開館)
展示替え期間(不定期)
年末年始期間(12月29日~1月3日)
ほか臨時休館することがあります。
午前9時30分~午後5時